草加小話

埼玉県草加市での暮らしで拾ったエピソードとそうでないエピソードを綴ります。

文化

コンテンツという用語を連発するとき商売商売という倍音が聞こえていた

何も見ない、何も聞かない時間がありません。読みかけの本(電子書籍を含む)も録画したテレビ番組も登録したYouTubeチャンネルもPodcast(ラジオ番組の配信)もDVDもBlu-ray Discも溜まっているし溜まり続けている。 電車に乗っていても、食事していても、ジョ…

はっぴいえんどいの「風をあつめて」は必死になって訴えている

松本隆によるはっぴいえんどの楽曲の歌詞は「です」という語尾が特徴的だ。日常的で口語的で丁寧。 「風をあつめて」(『風街ろまん』(1971年)に収録)ではこんな連発が見て取れる。 「見えたんです」「見えたんです」「見たんです」「翔けたいんです」 細野晴…

松本清張の『点と線』を初めて読んだらあまりに今を映していて驚いた

どこからともなく松本清張の『点と線』が出てきた。 長編推理小説 点と線 松本清張 奥付に「昭和35年7月10日初版発行・昭和50年7月10日190版発行」と記された古びたカッパ・ノベルズ。だいたいみんな読んだであろうベストセラー推理小説だが、うっかりして読…

「クーポン券」はたぶん接種券のことだろうと僕は推理した

「新型コロナウイルスワクチン接種券」が封書で送られて来ました。 「新型コロナウイルス接種の予診票」の質問項目の2つ目にこう書いてあります。 現時点で住民票のある市町村と、クーポン券に記載されている市町村は同じですか。 予診票の第2問 また予診票…

淡路人形浄瑠璃。極限的な操作によって人形の外側、観客の中に生命や心が生まれる

6月13日(日曜日)草加市文化会館ホールで行われた、淡路人形浄瑠璃の公演を観に行った。 木乃下真市さんの津軽三味線 木乃下真市さんの津軽三味線の演奏が前半にあった。木乃下さんは津軽三味線全国大会(現在の名称は津軽三味線世界大会)で86年と87年に連続優…

人新世の「資本論」を読んだあとのメモ

1月にNHKEテレの「100分de名著」で斎藤幸平による解説でマルクスの『資本論』の新解釈を放映していた。その内容に感銘を受けたので、『人新世の「資本論」』(斎藤幸平著)を読んだ。 人新世とは 書名にある「人新世(ひとしんせい)」とは何か。人類が地球の地…

PIGGSと「BiSの穴」出身のツワモノたち

PIGGSでの1年間はきっと彼女の糧になる。 BiSH。BiS。PIGGS。この空気を切り裂くような響きの名称を持つグループが、今の僕の心を大きく占めている。 あ、あと眉村ちあきね。もちろんももいろクローバーZも。 PIGGS(ピグス)は2020年4月に結成してコロナ禍…

アイドルにおける「りん」の系譜

アイドルにおける「りん」の系譜 2015年BiSH結成……リンリン 2008年ももいろクローバー結成……あーりん(佐々木彩夏)・しおりん(玉井詩織)・あかりん(早見あかり) 2007年からAKB48所属……ゆきりん(柏木由紀) 2002年デビュー……ゆうこりん(小倉優子) 198…

関係性、経験値、期待値、方向性、好感度

関係性 例文1:「AさんとBさんの関係はどうなの?」 例文2:「AさんとBさんの関係性はどうなの?」 例文1は、AさんとBさんの関係は夫婦だ、とか、友人だ、とか、ライバルだ、とか、そういう答えが想定できる。 例文2の「関係性」はどういう意味か。関係の傾…

「昴展」にギャラリー昴の加藤さんの思いが受け継がれている

昨日ヨーカドー草加店のアコスギャラリーになんとなく行ってみたら、「昴展」という絵画展が開催されていました。なんとなく中に入ったら、小さい絵画が壁にずらっと展示されていました。 アコスギャラリー(小)で開催している昴展。3月8日~14日。 「これ…

越谷アリタキ植物園は有瀧先生の学問的な専門性と土地所有者という境遇が活かされた幸運な遺産

越谷市の久伊豆神社の長い参道の脇に木がたくさん茂っている。そこは越谷アリタキ植物園という施設だった。入場料大人100円、子供30円。 受け付けの男性から「初めてですか?」と聞かれ、そうですと答えたら、植物園の概要を説明してくれた。 「アリタキ」は…

高校3年生の文化祭、クラスでクリスタル・サイレンスという名前の喫茶店をやった。

高校3年生の文化祭で、クラスで喫茶店をやった。1978年だった。 店の名前を何にするかという段になって、僕はふと「クリスタル・サイレンスなんかどうだろう」と言ってみた。 瀬田くんが「お!」と反応した。 チック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエヴ…

大吉(おおよし)スタジオの日々

Eテレの「ヒャダ×体育のワンルーム☆ミュージック」見ていて、自分の部屋で音楽を作る素晴らしいミュージシャンたちが、どんどん公開しちゃいなよ、と勧めてくれるので、昔の自分の曲をSoundCloudに登録し始めました。 ↓ 6曲登録してあります(その後1曲増え…

眉村ちあきの歌は聴く者の感情を揺り動かし慰撫し、しあわせにする! 映画『夢の音』DVD

最近発売された、映画『夢の音』のDVDを観ました。2019年3月に劇場公開された音楽青春映画です。 監督・脚本:松浦健志で、主演が眉村ちあき。 眉村ちあきは作詞作曲も編曲もこなすシンガーソングライターです。株式会社 会社じゃないもんの代表取締役社長で…

BiSHがブルデューの「ディスタンクシオン」の裏側を描いていた!?

NHK、Eテレ、「100分de名著」、12月のテーマはフランスの社会学者ブルデューの『ディスタンクシオン』でした。解説したのは岸政彦。その気さくな語り口で難解なブルデューの大著が身近な問題として理解できたような気がします。 その反響が大きかったのか、…

時に血の乾き耐えきれず(回文)

時に血の乾き耐えきれず歯を血みたいな感覚喉は心だけだ舌わずかごうと鳴る 見よ涙のその顔ああ丘の園だ皆よ見るなと動かず(私だけだろ) ここはどの区間か泣いた道を外れ消えた際(きわ)か ーーーーーーーーーーーー (後に帰途) 後に帰途(越谷市増林)…

筒美京平。メロディーが上下し、流れ、伸びる、その軌跡の美しさにただ感動する。

2020年10月7日、筒美京平が亡くなった。 1997年に作曲家生活30周年を記念して発売された「筒美京平 HITSTORY」(CD8枚)は僕のバイブルだ。ざっと聞き返してみた。印象深かった曲を挙げてみたい。 弘田三枝子「渚のうわさ」1967年 www.nicovideo.jp 筒美京平…

鈴木喜美子さんによる足尾銅山の死と再生のストーリーはここからがクライマックスだ

草加市在住の画家、鈴木喜美子さんの個展が、銀座二丁目の東京銀座画廊で行われた。銅を産出しつづけて日本の産業を支えながらも、鉱毒の被害も拡大させて閉山になった日本の歴史の負の遺産、足尾銅山。その死の山に魅せられて、鈴木さんは、足尾銅山を40年…

ももいろクローバーZの使命

2011年12月13日、WEBサイト『一本気新聞』に「ももいろクローバーZの使命」という記事を寄稿しました。今日はそれをここに再掲載します。 --------------------------------------- 5月に「ももいろクローバーのことばかり考えている」という記事を投稿して…

ももいろクローバーのことばかり考えている

西村昌巳さん主宰の、家紋や歴史を中心に文化全般を考察するサイト『一本気新聞』が今公開を停止しています。そこで、僕が2011年5月11日にアップした記事「ももいろクローバーのことばかり考えている」をこちらに転載します。 ーーーーーーーーーーーーーー…

いじめ構造から逃れられない生徒たちが一斉に叫んだ高校演劇

西村昌巳さんが主宰するサイト『一本気新聞』に3本の記事を寄稿したことがあります。その記事を西村さんのご厚意でこちらに転載させていただくことにしました。まずは、2010年の「いじめ構造から逃れられない生徒たちが一斉に叫んだ高校演劇」というエント…

第3期BiS。その歌声は予想外の髙い音域に達し響き伸びる。胸に突き刺さる。

第3期BiSがすごい。 蓮っ葉な声でパンクな曲を歌う4人組。だがその歌声は予想外の髙い音域に達し響き伸びる。胸に突き刺さる。パンクならではの短い楽曲は、どの曲も後半の歌い上げでカタルシスを感じさせる。 変なフォームなのに豪速球を投げちゃうピッチ…

気分はカタルシス

「カタルシス」という言葉が出なくて、昨日からもやもやしていた。 代わりに「カタストロフ」が浮かんできて、いや違う、となって、そこから迷宮に陥った。 そのときは、いざとなったら何でもネットで調べればわかっちゃうけどね、と安心していた。 とりあえ…

ネットラジオを聞きながら夜の街を走っていた

2007年ごろから数年間、僕はネットラジオにはまっていた。これはインターネットで音声を配信する番組だ。当時アマチュアの番組が林立していた。 iTunesのPodcastで受信することができて、僕はiPodに同期しては毎日聴いていた。走りながら(主に夜)。 ネット…

ソーシャル・ディスタンス界隈について

社会的距離から物理的距離へ 新型コロナウイルス対策のために「ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)」を保ちましょうと言われている。ソーシャル・ディスタンスとは「2メートル離れろ」という意味だと理解されているのだろうか。「ソーシャル・ディスタ…

とにかく腰から何かぶら下げたい文化誌

僕はスマホを入れるポーチをベルトからぶら下げている。とにかく腰から何かぶら下げたくなる。鍵束やチェーンなど、腰から何かぶら下げる人が多いのは、ファッションであり文化でもあると思う。 僕は阿波おどりを数年前までかれこれ10年間ほどやっていた。阿…