草加小話

埼玉県草加市での暮らしで拾ったエピソードとそうでないエピソードを綴ります。

クラウドの隅っこから「90年代ベスト」というメモが出てきた

クラウド(Googleドライブ)の隅っこから「90年代ベスト」というテキストが出てきた。パソコン通信にでも載せたのだろうか。なんだか気恥ずかしいリストですが、せっかくなのでご紹介します。

90年代ベストブック

【人文社会】

世界史の誕生岡田英弘/ちくまライブラリー

『監督 小津安二郎蓮實重彦/筑摩書房

『国家民営化論』笠井潔/光文社

存在論的、郵便的 -- ジャック・デリダについて』東浩紀/新潮社

『地球が回る音』中村とうよう/筑摩書房

『<戦前>の思想』柄谷行人/文藝春秋

『大モンゴルの時代(世界の歴史9巻)』/杉山正明・北川誠一/中央公論社

『ホット・ゾーン』リチャード・プレストル/飛鳥新社

『奪われし未来』シーア・コルボーン ダイアン・ダマノスキ ジョン・ピーターソン・マイヤーズ/翔詠社

『死の病原体プリオンリチャード・ローズ /草思社

【漫画】

逆境ナイン島本和彦/徳間書店

バタアシ金魚望月峯太郎/講談社

『ゴリラーマン』ハロルド作石/講談社

『さるでも描けるまんが教室』相原コージ竹熊健太郎/小学館

『SEX』上條淳士/小学館

ジョジョの奇妙な冒険荒木飛呂彦/集英社

『あっかんべえ一休』坂口尚/講談社

自虐の詩業田良家/竹書房

【その他小説】

10冊に絞るとなるとやはり壮大なものが残りがちですね。

『Xのアーチ』ティーヴ・エリクソン/集英社

トマス・ジェファーソンと愛人(黒人奴隷)との愛の葛藤を中心に複数の物語が時空を越えて交錯する小説。エリクソンの小説はたいてい時空を越えて混乱させられます。

『グランド・ミステリー』奥泉光/角川書店

『軽蔑』中上健次/朝日新聞社

『賛歌』『異族』など90年代発表作品がいくつかありました。死去したのが1992年。

『續明暗』水村美苗/筑摩書房

漱石の未完の小説『明暗』の続きを勝手に書いて完結してしまった。あらゆる対話がすべて緊迫した闘い。ドフトエフスキーを連想しました。

『幻の朱い実』石井桃子/岩波書店

『ヴァインランド』トマス・ピンチョン/新潮社

弥勒篠田節子/講談社

チベット付近に小国(架空の国)の政変に巻き込まれてひどい目に合う話。「政治」や「国家」をとことん追求しています。

『恋愛太平記金井美恵子/集英社

火車宮部みゆき/双葉社

『メアリと巨人』フィリップ・K・ディック/筑摩書房

ディックが大好きなんです。90年代も次々と刊行されました。これはSFじゃないです。

【SF】

さて90年代の傑作SFを本棚あさって並べました。よかった順です。僕が何かいうまでもなく傑作なんですけどね。

ハイペリオン』『ハイペリオンの没落』ダン・シモンズ/早川書房

SFのカタログ。メタSF。最後のSFだね。

『火星夜想曲イアン・マクドナルド/ハヤカワ文庫

火星を舞台にした『百年の孤独』って感じ。

スノウ・クラッシュニール・スティーブンスン/アスキー

サイバーパンク武士道。言語(プログラム)と言語(人間の)とウィルスに関する考察。

『グラス・ハンマー』K・W・ジーター/ハヤカワ文庫

ブレードランナー2・3』や『ダーク・シーカー』などほかにも傑作が盛りだくさん。

『グリンプス』ルイス・シャイナー/創元SF文庫

だいたい昔のロックのほうがいいもんね。

『ネットの中の島々』ブルース・スターリング/ハヤカワ文庫

近未来ゲリラSF。完全にネット化された世界の勢力配置をリアルに創出。

『消えた少年たち』オースン・スコット・カード/早川書房

とりかえしがつかなくなって後悔する前に子どもを信じよ。

『スロー・リバー』ニコラ・グリフィス/ハヤカワ文庫

裕福な女性が誘拐されてどん底に落とされてでも生き延びる。その背景に幼児虐待が。この物語は私がモデルではない、っていうようなコメントがありました。

『リプレイ』ケン・グリムウッド/新潮文庫

このさわやかなSFも90年代だった。

『レフト・ハンド』中井拓志/角川書店

左手がどうかしちゃう病気。2年まえだっけ、日本ホラー大賞で貴志祐介の『黒い家』とダブル受賞だったやつ。

わけのわかんないコメントばかりですいません。

90年代ベストCD

山下達郎『コージー

チャーリー・ヘイデン&パット・メセニーミズーリの空高く』

Tokyo No.1 Soul Set『Jr.』

鈴木蘭々『ワン・アンド・オンリー』

サンディー『DREAM CATCHER』

渋さ知らズ『渋さ道』

玉置浩二『カリント工場の煙突の上に』

小川美潮『4to3』

Pascal Comelade『33BARS』

篠田正已『COMPOSTELA』

90年代ベスト映画

映画は1995年までの10年ほどはいっぱい観てましたが、それ以降はほとんど観なくなりました。そこで以下のベスト10は90年代前半のものばかりなんですよ。

第1位『クーリンチェ少年殺人事件』監督:エドワード・ヤン

第2位日蝕の日々』監督:アレクサンドル・ソクーロフ

第3位『動くな、死ね、蘇れ!』監督:ヴィターリー・カネフスキー

第4位『マイ・プライベート・アイダホ』ガス・ヴァン・サント監督脚本

第5位『極道記者』脚・監:望月六郎 出:奥田瑛二

第6位非情城市監督:侯孝賢

第7位オリーブの林をぬけて監督:アッバス・キアロスタミ

第8位欲望の翼監督:ウォン・カーウェイ マギー・チャン

第9位こうのとりたちずさんで』監督:テオ・アンゲロプロス

第10位ザ・コミットメンツ監督:アラン・パーカー

------------------------------------------------------

以上です。