クラウド(Googleドライブ)の隅っこから「90年代ベスト」というテキストが出てきた。パソコン通信にでも載せたのだろうか。なんだか気恥ずかしいリストですが、せっかくなのでご紹介します。
90年代ベストブック
【人文社会】
『国家民営化論』笠井潔/光文社
『存在論的、郵便的 -- ジャック・デリダについて』東浩紀/新潮社
『大モンゴルの時代(世界の歴史9巻)』/杉山正明・北川誠一/中央公論社
『ホット・ゾーン』リチャード・プレストル/飛鳥新社
『奪われし未来』シーア・コルボーン ダイアン・ダマノスキ ジョン・ピーターソン・マイヤーズ/翔詠社
【漫画】
【その他小説】
10冊に絞るとなるとやはり壮大なものが残りがちですね。
トマス・ジェファーソンと愛人(黒人奴隷)との愛の葛藤を中心に複数の物語が時空を越えて交錯する小説。エリクソンの小説はたいてい時空を越えて混乱させられます。
『賛歌』『異族』など90年代発表作品がいくつかありました。死去したのが1992年。
漱石の未完の小説『明暗』の続きを勝手に書いて完結してしまった。あらゆる対話がすべて緊迫した闘い。ドフトエフスキーを連想しました。
『ヴァインランド』トマス・ピンチョン/新潮社
チベット付近に小国(架空の国)の政変に巻き込まれてひどい目に合う話。「政治」や「国家」をとことん追求しています。
『メアリと巨人』フィリップ・K・ディック/筑摩書房
ディックが大好きなんです。90年代も次々と刊行されました。これはSFじゃないです。
【SF】
さて90年代の傑作SFを本棚あさって並べました。よかった順です。僕が何かいうまでもなく傑作なんですけどね。
『ハイペリオン』『ハイペリオンの没落』ダン・シモンズ/早川書房
SFのカタログ。メタSF。最後のSFだね。
『火星夜想曲』イアン・マクドナルド/ハヤカワ文庫
火星を舞台にした『百年の孤独』って感じ。
サイバーパンク武士道。言語(プログラム)と言語(人間の)とウィルスに関する考察。
『グラス・ハンマー』K・W・ジーター/ハヤカワ文庫
『ブレードランナー2・3』や『ダーク・シーカー』などほかにも傑作が盛りだくさん。
『グリンプス』ルイス・シャイナー/創元SF文庫
だいたい昔のロックのほうがいいもんね。
『ネットの中の島々』ブルース・スターリング/ハヤカワ文庫
近未来ゲリラSF。完全にネット化された世界の勢力配置をリアルに創出。
『消えた少年たち』オースン・スコット・カード/早川書房
とりかえしがつかなくなって後悔する前に子どもを信じよ。
『スロー・リバー』ニコラ・グリフィス/ハヤカワ文庫
裕福な女性が誘拐されてどん底に落とされてでも生き延びる。その背景に幼児虐待が。この物語は私がモデルではない、っていうようなコメントがありました。
『リプレイ』ケン・グリムウッド/新潮文庫
このさわやかなSFも90年代だった。
左手がどうかしちゃう病気。2年まえだっけ、日本ホラー大賞で貴志祐介の『黒い家』とダブル受賞だったやつ。
わけのわかんないコメントばかりですいません。
90年代ベストCD
チャーリー・ヘイデン&パット・メセニー『ミズーリの空高く』
Tokyo No.1 Soul Set『Jr.』
鈴木蘭々『ワン・アンド・オンリー』
サンディー『DREAM CATCHER』
渋さ知らズ『渋さ道』
玉置浩二『カリント工場の煙突の上に』
小川美潮『4to3』
Pascal Comelade『33BARS』
篠田正已『COMPOSTELA』
90年代ベスト映画
映画は1995年までの10年ほどはいっぱい観てましたが、それ以降はほとんど観なくなりました。そこで以下のベスト10は90年代前半のものばかりなんですよ。
第1位『クーリンチェ少年殺人事件』監督:エドワード・ヤン
第2位『日蝕の日々』監督:アレクサンドル・ソクーロフ
第3位『動くな、死ね、蘇れ!』監督:ヴィターリー・カネフスキー
第4位『マイ・プライベート・アイダホ』ガス・ヴァン・サント監督脚本
第7位『オリーブの林をぬけて』監督:アッバス・キアロスタミ
第9位『こうのとりたちずさんで』監督:テオ・アンゲロプロス
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以上です。