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草加小話

埼玉県草加市での暮らしで拾ったエピソードとそうでないエピソードを綴ります。

「“ドレミファそうか”コンサート」はプロとアマチュアの共同作業による大きな成果を得た

イベント 音楽・芸術

 2月7日、草加市文化会館で「第11回“ドレミファそうか”コンサート」が開催されました。

 このコンサートには、草加市演奏家協会のプロのクラッシック演奏家、市民音楽家、市内の中学校・高校の吹奏楽部員たちが出演します。そして大きな特徴は、プロとアマチュアが同じステージで共演することです。

 共演はコンサート当日だけのことではありません。準備段階からプロとアマチュアが交流しながら本番に向けて音楽を作りあげていくのです。参加者たちに貴重な体験を与えながら。

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ハンドベルは編曲の一パートとして組み込まれていた

 その成果は、たとえばハンドベル演奏に見られます。

 青柳子ども会の子供たちと大人たち(お母さんかな?)のハンドベルに、プロ演奏家のピアノ、サックス、フルート、ピッコロ、そしてパーカションが共演しました。

 ハンドベルは、音階別のハンドベルを分担して、共同作業でメロディを奏でる楽器です。普通の楽器とは根本的に異なる構造。ましてや小さい子供が演奏するのは心もとない。そこでプロが助っ人で呼ばれて、ピアノやフルートでメロディを補ってあげるのだろうと予想しました。

 しかしそれは甘い考えでした。

 この日の演目、ビゼー作曲アルルの女は、けっこう長くて複雑な構成で、そこにハンドベルは編曲の一パートとして組み込まれていたのでした。

 ハンドベルとピアノが輪唱風に追いかけ合うところや、他の楽器が別のメロディをかぶせるところなどもあり、全体としてのアンサンブルが見事にできあがっていました。

プロ演奏家も混じって中学生の演奏のレベルが引き上げられた

 青柳中学校吹奏楽(44名)の演奏については、プロの演奏家の指導を受けて、「もともとの持ち曲にちょっと色をつけて」仕上げてきたそうです。

 曲目はトロンボーン奏者5人が前に出てきてフィーチャーされる「Trombonanza(トロンボナンザ)」と、サンバの陽気なリズムで人気のあるTHE BOOMの「風になりたい」。

 指揮はクラリネット奏者の木場亮さんでした。

 ところがパンフレットには、「指揮 石川佳秀」と書かれていました。石川さんはチューバ奏者なのですが、この日はインフルエンザでお休み。代わりに別のチューバ奏者(岩沢さん)が来たと司会者が言っていました。指揮もピンチヒッターとしてクラリネット演奏のかたわら、木場さんが託されたのでしょうか。

 指導にあたってきたのはお休みした石川さんだったのかもしれません。だとしたら教え子の晴れ姿を見られないのはさぞかし残念だったことでしょう。

 サクソフォンやトランペットなどのパートにプロ演奏家も混じっていました。中学生たちは音の違いを実感したことでしょう。そして自分たちの演奏のレベルが引き上げられたという感覚を受けたのではないでしょうか。

30人のパーカッションアンサンブルの胸のすく驚き

 市内中学生・高校生によるパーカッション・アンサンブルでは、川柳中学校草加中学校花栗中学校松江中学校谷塚中学校草加高校からきたパーカッション奏者が合計30人もステージに揃いました

 高校生がこのコンサートに参加したのは今回が初めてでした。以前中学生として「ドレミファ」に参加して楽しかったことを進学した草加高校の吹奏楽部で話したところ、では参加しちゃおう!と話が進んだのだそうです。

 これはもしかしたら、他の高校にも波及してしまうかもしれませんね。

 登場して最初の曲目は手拍子による演奏でした。ステージ前方にずらっと横一列に並んだ30人の演奏者たちは、みな赤いドレミファそうかコンサートのオリジナルTシャツと黒いパンツを着用していて、学校も学年も区別できない、ビートを発するひとかたまりの集合体でした。

 次の曲では全員が小太鼓(スネアドラムやトムトム)を叩きました。

 30人分の楽器は草加ジュニアオーケストラからお借りしたそうです。

 指揮はプロ打楽器奏者の林瑞穂さん。今回のコンサートでいちばん出番が多かった人です。あらゆる演目でいろいろな打楽器を演奏していて、ある曲ではカホンという箱型の打楽器に座って、両手でコンガを叩きながら、右足のかかとでカホンを蹴って鳴らすという技も見せてくれました。

 その林さんが30人の打楽器隊をトレーニングして、素晴らしいショーに仕立てあげました。

 右・左・中央という音の目まぐるしい移動、小さい音と大きい音の激しい落差などに、胸のすく驚きを感じました。

 また、小太鼓群の音程の差によって、メロディーが聞こえたような気がしました。これはメロディーを分担する集団奏法としてハンドベルにも通じるところかもしれません。

 3曲目は木琴や鉄琴類の奏者が11人もいるという大胆な編成で、陽気な曲を演奏しました。指揮の林さんはきっと満面の笑みを演奏者立ちに向けていたことでしょう。

 でも演奏者たちは笑ってはいませんでした。一発勝負の緊張感のほうが優っていたのでしょうか。

 演奏が終わって緊張が解けた後は、すっかり笑顔になって観客席に手をふっていました。

テーマソング発表! 作詞者の正体は!?

「ドレミファそうかコンサート」という歌の発表もありました。コンサートのテーマソングです。

「作詞 嵐遊星、作曲 松岡美弥子とパンフレットには記されています。

「作詞者の嵐遊星(らんゆうせい)とはいったい誰でしょうか。ここに来てもらいましょう!」と司会者の女性が呼びかけたところ、ドレミファそうかコンサート実行委員会委員長の小俣克彦さんが登場しました。

「なんと嵐遊星氏の正体は小俣克彦さんだったのです!」

 って謎の提示と正解発表の間隔が短すぎ!(笑)

 ツイッターFacebookで「嵐遊星の正体とは?」と事前に謎を撒き散らしておいてくれれば、もうちょっと楽しめたのに(笑)。

 小俣さんによると、テーマソングの作曲を作曲家の松岡美弥子さんに依頼し、いっしょに草加の名所を散策して構想を練ってもらったとのこと。

「さて作詞はどなたに依頼しましょうか?」と小俣さんが尋ねたところ、松岡さんから「それは当然小俣さんですよ!」とミッションが下ったのだとか。

 そこで小俣さんは、ご自身が中心となって作った「草加お宝かるた」からヒントを得ながら言葉を紡いだのでした。

 ちなみにペンネームは、小俣さんが飼っている2頭の甲斐犬の名前(嵐と遊星)から取ったそうです。 

 テーマソングは、ピアノ、アルト・サックス、ハンドベル(3人)をバックに、ソプラノ歌手、河内紀恵さんの伸びやかな歌唱によって初披露されました。素敵な歌でした!

 プロ(作曲家)とアマチュア(作詞家)の共同作業による成果はここでも見られたのでした。