川や池に映った風景の鏡像は美しい。よく写真の対象になります。だがその写真を逆さにしてみると不思議な感覚に襲われます。鏡像だったはずの景色が実像として立ち上がっているのです。しかしその実像は細かく揺らいでおり、現実感がぼやけ、幻想がまとわりついている。
そんな写真を6月からFacebookに断続的に投稿してきました。だいぶたまったので、ここで一挙に見直してみたいと思います。
1 手代町の綾瀬川
草加市手代町付近、綾瀬川の対岸、八潮市側からの風景を逆さにしてみました。上が実像で下が鏡像と認識してしまいますね。ところが実像がぼやけているのに、鏡像が鮮明で存在感が強くなってしまっている。(6月3日掲載)
2 綾瀬川の和舟1(6月13日)
綾瀬川に浮かぶ和舟の写真を逆さにして見ました。幻想的な舟の旅。彼らは現実に戻れるのでしょうか。(6月13日掲載)
3 綾瀬川の和舟2
人物の輪郭がますます崩れ、冥界に消えていきそうです。
4 綾瀬川の和舟3
色彩が淀み存在感が薄れていく舟の乗客たち。
5 葛西用水の桜
2015年4月に草加市稲荷の葛西用水の桜を撮った写真を、逆さにしてみました。花びらが舞い上がっているように見えます。
6 毛長川1
草加市と足立区花畑の境界、毛長川に写り込んだ風景を逆さにしました。水中もいい天気です。(6月14日)
7 毛長川2
滲み方が水彩画のようです。
8 神明排水機場
草加市神明の神明排水機場。(6月18日)
9 埼玉県立近代美術館1
埼玉県立近代美術館の庭園です。(6月21日)
10 埼玉県立近代美術館2
歩いている少年の手元から、小さな波が起こりはじめています。(6月21日)
11 越谷市大吉調整池1
埼玉県越谷市大吉にある、新方川の水量調整のために作られた池の周辺です。水門設備を越えて架かった橋が、水たまりに映り込んだ情景。上のほうがブツブツしています。(7月24日)
12 越谷市大吉調整池2
世界が暗黒に覆われようとしている。
13 水たまりの草加小学校
ゲリラ豪雨でできた水溜まりに映った草加小学校の校舎。淡く霞んだ現実をくっきり鮮やかな鏡像が支えているような、虚実が転倒した世界。魔法の学校だ。(8月21日)
14 矢立橋(やたてばし)
草加松原遊歩道沿いに架かる太鼓橋状の歩道橋「矢立橋」。上下合わさって唇のようです。(9月2日)
15 浅草寺
浅草寺の水たまり。雪が降っているかのように見えるのはアスファルトが透けて見えるせい。(9月23日)
16 越谷市大吉調整池にて
左下に走る少女が。幻想世界から逃走しているのだろうか。(9月26日)
17 秋の空
泡が浮かんだ海面の空撮か。(10月7日)
18 浮遊物体
草加市手代町の綾瀬川。ゴミの固まりが浮遊している。(10月27日)
19 駐車場の水たまり
草加市内の月極駐車場で大きな水たまりに映る風景を撮影していたら、駐車場管理者から「何してる?」声をかけられた。水に映る風景がきれいだと話したら「なるほど」と言ってくれた。さらに「小鳥がきたらもっといいかもな」と。(10月31日)
20 池に映った校舎1
草加小学校にて。漂う枯れ葉。(11月26日)
21 池に映った校舎2
舞い上がる枯れ葉。
22 池に映った木
草加小学校の池に映った木はすっかり秋の色でした。
23 綾瀬川
草加市の綾瀬川にて。快晴でしかも川面は波1つありません。松並木の北の端に、独特の形に枝が分かれている松があります。(12月3日)
24 古利根堰
越谷市大吉と松伏町松伏との境の古利根川にある水門。古利根堰。胸を張って連帯して防衛しているように見えます。12月4日
25 アコスエスカレーター
草加駅前のショッピングビル「アコス」の狭いエスカレーターです。両サイドが鏡になっています。
なんだかよくわからないけど未来っぽくなりました。(12月7日)