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草加小話

埼玉県草加市での暮らしで拾ったエピソードとそうでないエピソードを綴ります。

パリポリンピック?世界選手権大会~草加大判手焼せんべいコンテスト~。来年は出てみたい!でも次回は4年後!?

 11月23日(日)は、「街グルin草加2014」草加駅東口から草加小学校に至る広い範囲で人が賑わった日でした。また同時開催で「百縁商店街」「街の音LIVE」がありましたが、もうひとつのイベントパリポリンピック?世界選手権大会~草加大判手焼せんべいコンテスト~が、ある意味この日の表玄関の役割を担っていたかもしれません。というのは、この日の午後、草加駅で降りて東口に出て来た人が最初に見つけるのが、カーソンプラザ(イトーヨーカドー前)のこの人だかりだからです。

 正午、「パリポリンピック?世界選手権大会」は開会式から始まりました。

 アコス前から三菱東京UFJ前にかけての広場に10張りのテントが設営され、それぞれのテントにせんべいの手焼釜が1台ずつ設置されていました。

 手焼釜にはすでに火が入っていて、近づくと暖かさを感じましたが、人員はすべてステージのセレモニーに集結しているためガランとしており、留守は一人のスタッフが守っているところでした。

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 なるほど、これはせんべいの手焼については腕に覚えがあるプロの職人さんたちが技を競い合うところが見られるかもしれない、と勘違いの期待をして様子を見ました。草加で一番なら世界一だという理屈で、世界選手権大会なのだろうと。

 いえいえこの大会は、プロではなく一般市民がせんべいの手焼を体験しつつ出来栄えを競う大会だったのでした。

◆30cmの大判せんべいを20分以内で2枚焼く

 大会の概要はこうです。

 参加者は4人1組のチーム、合計19チームがエントリーしていました。

 各チームはA、B、C、Dの4つのグループに分類されています。

 Aは獨協大学外国籍グループBは獨協大学国内グループCは一般社会人草加市外グループDは一般社会人草加市内グループ

 チームごとに直径30cmの大判草加せんべいを2枚焼いて、出来のいい1枚を提出し審査してもらいます。焼きの制限時間は20分です(そのあとの醤油塗りタイムはカウントされません)。

 10台の手焼釜を交代で使います。

 審査員が厳正な審査をします。審査基準は、焦げムラのないきつね色になっているか、反りのない平らな円盤になっているかなど、複数項目あります。

 競技開始前に、名人によるデモンストレーションがありました。直径50cm以上ありそうな巨大せんべいを焼きながら、注意点を説明していました。

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↑名人が「優勝」の超大判せんべいを焼く

◆せわしないひっくり返しこそ秘訣

 最初の10組が焼き始めました。

 観戦者たちは、手焼釜の間を自由に歩き周り、各チームの奮闘ぶりをのんびりと見届けました。

 各釜ごとに草加せんべい振興協議会青年会のメンバーがお手伝いについていました。

 見ているうちに生地に変化が出てきました。表面に焦げムラが現れてきたチームや、反りが出てきたチームもあります。

 注目したのは陽気な獨協大学の女子チーム(緑色の服を身につけていました)。せんべいの生地をせわしなくひっくり返す、ひっくり返す。返しては押し瓦で押す。このせわしなさの割に、せんべいの焼き上がりはとてもおだやかで均等に色がついているようでした。

 ひっくり返す手間を惜しんで、つい軍手をした手を使おうとしますが、青年会の人が「必ずトングを使って! 軍手で触るとやけどするよ!」と何度も声をかけていました。軍手の繊維の隙間の空気が熱せられると意外な高温になるとか。

 青年会の人に話しかけてみました。

「ひと通り見まわってきたんですが、この女子チームはけっこういけてるんじゃありませんか?」

 すると彼は声を潜めて、「中立の立場にいないといけないのですが、なかなかいいですね」

 実はあのせわしないひっくり返しこそ、秘訣なのだとか

助言しちゃいけない立場なので黙ってましたが、いい焼き方をしてました」

 獨協大学女子チームは見事な焼き上がりのせんべいを2枚焼いて、醤油を塗りました。

 この醤油塗りについても大事なポイントがあるようです。ある審査員が、ステージの展示台に先に提出されたせんべいを、審査台帳(項目別に5段階評価をつける)を片手に審査しながら、縁に醤油の塗り残しがあることを鋭く指摘している様子を見つけました。

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↑せわしないひっくり返しで均等に焼く「スーパー☆スパニッシュ」

ももクログッズを身に着けた獨協大学女子チーム

 さて、獨協大学女子チーム(チーム名は「スーパー☆スパニッシュ」でした)のみなさんにちょっとお話を伺いました。

 なにより気になっていたのが、4人がそれぞれ緑色のキャップやパーカーなどを着用していたことです。メンバーの一人に聞いたら、

「チームで衣装を揃えないといけないと言われたので、緑色のももかグッズを着せました」とのこと。

 補足すると、彼女はアイドルグループ「ももいろクローバーZ」のファンで、メンバーの一人有安杏果(ももか)さんのシンボルカラーである緑色のグッズ、キャップやパーカーやタオルなどをたくさん所有しているので、今日、メンバーのために持って来たということでした。

 とてもフレンドリーな人たちで、ほかのチームに積極的に話しかけ、明るいムードを作っていました。

 その他、野球のユニフォームを着たチームや、背中にせんべいのゆるキャラ「パリポリくん」のイラストをペイントしたTシャツを着たチームなど多彩な装いが見られました。

 阿波踊りの「いなせ連」が衣装を着けて待機していたので、「いつ踊るんですか?」と声をかけたら、「今日は踊らないです」という返事。おっと、いなせ連さんも出場チームでしたか!

◆グループ優勝の4チームを発表→決勝戦開始

 全チームが焼きあがったせんべいを提出し、じっくりと審査を行ってから、グループごとの優勝チームが発表されました。

 Aの獨協大学外国籍グループの優勝は「ガチカッコイイ」!

 Bの獨協大学国内グループの優勝は「スーパー☆スパニッシュ」!

 Cの一般社会人草加市外グループの優勝は「手先器用ビンボー」!

 Dの一般社会人草加市内グループの優勝は「KUMAOTTO」!

 注目していた「スーパー☆スパニッシュ」は、順当にグループ戦を突破しました。

 決勝戦は、1チームずつ、ステージで1枚焼いて、その出来栄えを競うということです。

 順番はD→A→B→Cです。

 Dの「KUMAOTTO」チームの方が決勝のあと、1番手は不利だったとぼやいていました。たしかに2番手の「ガチカッコイイ」チームが声をかけあってリズムカルに生地を返す様子や、3番手の「スーパー☆スパニッシュ」チームが風を防ぐように立っている様子など、あとのチームは様々な工夫を追加しているようでした。

 4番手のチームも焼き終えて、遠目に見た感じではありますが、「スーパー☆スパニッシュ」、来るんじゃないか……、と、同じももいろクローバーZファンとして(!)期待が高まってきました。

◆次回は4年後!?

 いよいよ審査結果の発表です。さて……。

「優勝は手先器用ビンボー!」

 おめでとうございます! 賞金と優勝の盾の代わりの名人が焼いた2枚の巨大せんべい(優勝、世界一という文字が焼きこまれている)が贈られました。焼いている最中も表彰式でもハイテンションの明るいチームでした。

 「スーパー☆スパニッシュ」のみなさん、残念でした。健闘を讃えます!

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↑優勝の「手先器用ビンボー」チーム。優勝せんべいを贈ろうとしているのはミス草加せんべいのお二人。手前にしゃがんで写真を撮っているのはスーパー☆スパニッシュのメンバー。

 いろいろとコツがわかったので、僕も来年は出場してみようかな、とそばにいた「KUMAOTTO」チームの方に言ったら、

「オリンピックだから次は4年後らしいですよ」

と言われました。