高校3年生の文化祭で、クラスで喫茶店をやった。1978年だった。
店の名前を何にするかという段になって、僕はふと「クリスタル・サイレンスなんかどうだろう」と言ってみた。
瀬田くんが「お!」と反応した。
チック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエヴァー」(1972年)に入っている曲の名前だ。瀬田くんもジャズ・フュージョン好きなので知っていた。
言葉の響きがいいね、と賛同を得て喫茶店は「クリスタル・サイレンス」に決まった。
文化祭当日、僕は「リターン・トゥ・フォーエヴァー」のLPを持っていった(たしかにLPを持っていった記憶があるので、喫茶店にはステレオセットが持ち込まれていたんだろう)。
で、これが「クリスタル・サイレンス」だよ、とクラスメイトに聞かせた。
「なんか想像と違う……」と言われた。
「クリスタル・サイレンス」の動画が見つからなかったので、同じアルバムから「WHAT GAME SHALL WE PLAY TODAY」のリンクを貼ります。
1970年代は、チック・コリアを始め、ハービー・ハンコック、キース・ジャレット、ウェザー・リポート、そしてマイルス・デイヴィスなど、ジャズ・フュージョンがいちばん熱くていちばんかっこいい音楽だった。
2021年2月9日、チック・コリアが亡くなった……。