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草加小話

埼玉県草加市での暮らしで拾ったエピソードとそうでないエピソードを綴ります。

新田に仲間がどんどん集結して個性的なイベントができた話(後編)

2016年11月23日に、草加市新田のふれあいロード商店街で開催された「つくりにおいでよ!2~フライングクリスマスの巻~」というワークショップイベントを振り返る、大串好子さんと金澤萌さんの対談の後編です。

前編はこちら ↓

jitsuni.hatenablog.com

前日の夜、みんな楽しんでいるんだって初めて思った

金澤 前日の夜、みんな遅くまで残って、設営とか準備してくれたんですよ。私、正直それしてくれないと思ってたんです、勝手に。みんなうちらがやらないといけないのかなと思ってたけど、結果なんかみんな夜遅くまで集まって、みんなほんと準備してくれて。

大串 当日は来てすぐにぱぱっと取り掛かれるような感じに全部セッティングして帰ったの。すごいよかったよね。

金澤 あ、みんな楽しんでるんだって、初めて思いました。

大串 すごいやる気モードスイッチ入った。

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金澤 すごいスイッチ入ってましたね。前日のその日、茂垣さんのテレビ(草加元気放送局)もあったから、よけいですよね。あそこでみんな、あ、そんなことを考えて参加してたんだ、っていうのを茂垣さんのインタビューを通して初めて知ったから。

大串 (笑)

参考:草加市インターネット放送局『草加元気放送局』『つくりにおいでよ!』のみなさん【第83回】

www.youtube.com

★僕もそんなに来る気なかったけど、あれ見て、これは行かなくちゃ!ってなりましたよ。
大串 ほんとに? 素晴らしい! モガちゃんやるじゃん! 

あとなぜか偶然に法螺吹きが……(笑)。

金澤 ああ、法螺貝! 法螺貝の人来た!

大串 偶然知り合って、「じゃあ当日法螺貝吹いて商店街清めてよ」って言ったら、みんな、法螺貝のあとについてさ、ハーメルンの笛吹き隊(笑)

金澤 そんなことしてたの?(笑)

大串 お清めも終わって、無事何事もなく終わったのが大成功だった。うん。それも1週間か2週間前に知り合っただけなんだよね。

ツネのママは監督の監督

★ツネがイベントのメッカになっているので、いろいろとノウハウはあるんですよね。

大串 いや、あたしはあまり口出さない。全体を見てあげようと思って。もしくは、見に来たおばさんたちに、どこから来たの?とかさ、ゴール行こうか、スタンプ押したから、商品もらってちょうだい、って案内する。

★けっこう歩いてましたよね。ここに陣取ってるのかと思ったら。

大串 違う違う。私は全体的に見る。

金澤 うち、室内にこもってたから。

★そうか! だからもう1人監督が必要だった。

大串 そうそう。監督の監督やってました。でも私がいちばん楽しかったかもしれない。

金澤 はははは。

★そしてイベント当日に想像以上の盛り上がりで大成功!

大串 何人ぐらい来た?

金澤 200枚のスタンプラリーのビラが手元になくなってたんで、200人は来てくれたんだねって話はしたんですよ。ワークショップが100人前後。すごいびっくりしました。

大串 多い人で何人?

金澤 多い人だと、20人くらい。ワークショップのスペースはどこもキツめだから、それぞれ10人行けばいいんじゃないかな、って正直思ってたんですよ。

大串 予想が10人。

「単価を高くしてください」

金澤 そのぶん、単価も高くしてくださいって言ってたんで、べつに安いワンコインのワークショップじゃなくて、高いワークショップでいいから。

大串 最低1500円だったかな?

金澤 最低1000円です。でも2000円でも3000円でもいいですって言ってたんです。今回のメンバーは……、結果1000円、1500円くらいが多かったのかな。

大串 フラワーアレンジメントが……。

金澤 が、2500円。

大串 あれ安いよ絶対。ひろみちゃん(※)のやつ。

フラワーガーデン花小道横山裕さん。

金澤 うち的にはもっと高くてもいいとか、そのへんも議論した時期があったんですけど。ただみんなのワークショップをやってほしいという思いもあるから自分は値段を下げます、という方たちもいて。それはそれで本人たちがそれでいいならと思って、うるさくは言わなかったけど。

大串 1個作ると、次どれ行く? ってなって、あっという間に5、6千円飛んじゃうんだよね(笑)。

★カルチャースクールに通うと思えば、そんなに高いわけでもないですね、材料つきだし。

金澤 そうなんです。

大串 1人が作るのに1時間ぐらいかかる。そうすると3000円取ってもいいかな、という感じ。

金澤 「つくりにおいでよ」はひとつのコンセプトです。安いものをやりたいんじゃなくて、作りたいものを時間かけてちゃんと作るイベントをやりたいって、RIKKENさんと最初にやってるときから話してました。なので高いものをやろう、みたいな。

★コンセプトがしっかりしてた。

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↑ つくりにおいでよ!2でのLEADのワークショップ。漆喰でクリスマスツリー飾りを作る。

大串 普通のイベント会場とちがって、じみ~な商店街で、人がいるかいないかわからないようなところでやってさ、100人来たっていうのは奇跡だよね。

金澤 人がいる! 人がいるよ! みんなそれしかしゃべってない(笑)。

★最初は新田駅で降りたら、人がいない……、と思った。

大串 ははは。新田駅降りたら人がいないよね。

★とりあえずツネに入ったとたんに、うわー! 人がいっぱい! イベントやってる! って。LEAD行ったらそこがまた人がびっしり!

「つくりにおいでよ!3」はムシの日

金澤 5月に越谷で開かれるAcha Acha(あちゃあちゃ)っていうイベントに、今回のメンバーの一部も声かけられて出展することになってたんですよ。じゃあそこで「来月やるよ!」って告知したほうがいいよね、っていう流れをRIKKENさんと話していて、6月にやろうとしているということを新年会のときみんなに相談した。そしたらママが「暦」を気にするから、日曜日でいい日がその6月4日しかなかったんですよ。

★験担ぎですね

金澤 じゃあ6月4日、でいい? いい? みたいな感じで。「ムシ」だから、じゃあムシテーマでやって。で、父の日のプレゼントを作りにおいでよ、とか。結局テーマとしては「父の日をムシしないでね」って、そういうノリで。
大串 萌ちゃん決定が速いからすごい楽ちん。今回は地元のおうち持ってる人を口説いて、貸してよって言ったんだけどね。

金澤 そう。会場も増やしてもらえることになりそうなので。

大串 遠藤さんちの空き家。おばけ出るよって言われて、脅かされてる。

★それ売りにすればいい。おばけに会えるよ。

大串 はははは。

※「つくりにおいでよ!!3」FACEBOOKページ ⬇

つくりにおいでよ!!3=父の日をムシしないでね=

 

みんなで感動を分かち合いたい!

★本番以降で大々的に集まったのは新年会?

金澤 忘年会、あ、打ち上げか。忘年会はやらず、打ち上げを後日にやっちゃったんです。当日集まるっていう発想がうちになかったから。結果その日はその日で盛り上がったんですけどね。一部のメンバーでは。

大串 どこにいるの? ってみんな来ちゃったんだよ(笑)。

金澤 ママがいる居酒屋にみんなで、じゃあ行くかって(笑)。

大串 座敷全部メンバーになっちゃったんだよね(笑)。けっこう盛り上がってさ。すごい面白かった。

金澤 とりあえずそういう打ち上げはあったけど。

大串 疲れてるんだけど、とりあえずこれでみんなで感動を分かち合いたい! 酒飲みたい! って飲んでたら萌ちゃんがブワー!!!!って泣き出した。

金澤 誰かが泣いてたんですよ先に(笑)。ママか誰かが泣いてて。商店街の人が泣いて喜んでる話を聞いて、ああ、すごいって思って。

大串 ああそうなんだ、それでブワーと出ちゃったのか。

金澤 そっか、と思って。ほんと終わるまでわかんなかったから。結果人がいてよかったなって、日中からそれは思ってたけど。ほかのブース見る余裕もないから、ほかのブースに人がいたかは知らないんですよ。そんなにそっちも人がいたのか、ちゃんと人がこんなに来たんだとか。まだ集計してない時だったから、すごーいと思って。

★気が強いように見えて、無理して気を張っていた?

大串 いや、何事もなくっていうのがよかったんだよね。

金澤 みんなが喜んでたし、その日の夜。

大串 みんなが喜んでいた。喜びだよ。津田っち(※)がハーモニカ吹いてたし(笑)。

弥兵衛(やへゑ)ファーム津田あきらさん。やへゑ米の販売。

金澤 みんなが、悪いことゆう人がいなくて、みんながよかったよかったって。出展者が喜んでたのももちろん大事だけど、それをお客さんが喜んでたよっていうのをみんながゆってくれたから、失敗がないじゃん、みたいな。すごい、と思って!

大串 それがパート2の大盛況なところだね。

金澤 なんか秋山さんが、秋山さん、酒入るといっぱいしゃべってくれるから、秋山さんが「今回のこのイベントは、商店街も喜んで出展者もみんな楽しんでお客さんも楽しかった。で、僕も楽しかったって。大成功です」、みたいなこと言って(笑)。

「長年見てきて、こんなに楽しかった日はない」、みたいなこと言ってくれてて、おー!って思って。そこまで言ってくれたかと思って。

大串 あははは。

★イベントは想像しきれないことがいろいろ起こりそう。

大串 でも1個成功すると、また何かやりたくなる。みんなのチャレンジ精神がすごいと思うよ。

「新田をクリエイターの集まる街にしたいよね!」

★ふれあいロード商店街は再開発を控えてひっそり沈んでいるところに、なぜかクリエイター達が集まっている。ならばアーティストやクリエイターの街として、再開発の動機が生まれる、という声もあります。

大串 こっちのモール商店街に街並を揃えてつながりを持とうよ、っていう勉強会をやりました。行きたくなるようなモールを作りたいなと思って。

★いちから考えてできる機会は滅多にない。

大串 手を上げてくれる工務店さん、僕やりたいっていう人いれば、大家さんとコラボしてこんなふうにしたいんだって、1階を貸すスペースにしませんか、っていうのを提案したい。夢だよね。私絶対完成させたいなと思って。クリエイターの集まる街並にしたいよね。ワー!!楽しみ!!(絶叫)

金澤 わはははは!

大串 すごいよね! すごくない!?

★新しい街並を作る巨大ワークショップができるかもしれないですね。

大串 そうだよね。

金澤 ああ!それそのものが! なるほど!

 

★以上です。なお、この対談のダイジェストを『草生人』の次号に掲載します。

 

「つくりにおいでよ!2」出展者リスト

 ※次回「つくりにおいでよ!! 3」のホームページはこちら! 

草加市 新田 ワークショップ イベント 大人も 子供も あそびにおいでよ つくりにおいでよ

新田に仲間がどんどん集結して個性的なイベントができた話(前編)

2016年11月23日に、東武スカイツリーライン新田駅の東口から伸びる新田ふれあいロード商店街で「つくりにおいでよ!2~フライングクリスマスの巻~」というワークショップイベントが開催されました。

左官職人金澤萌さんのLEADとアーティスト・デザイナー福地立憲さんのRIKKEN FACTORYが中心となって、そこに大串好子さんの喫茶店ツネ秋山広一さんのブティックLuciaも全面協力し、さらにたくさんのクリエイターたちが参加したイベントになり、大成功に終わりました。

イベントの様子は2月に発行された『草生人』早春号でもレポートしています。

www.asymos.com

そんなイベントをやり遂げる間にすっかり信頼し合える仲になった大串好子さんと金澤萌さんが、喫茶店ツネでイベントを振り返りました。

協力者がどんどん登場し、強く繋がっていくという、まるで『七人の侍』か『ワンピース』かというドラマチックな展開が明かされたのでした。

※参考:FACEBOOKページ「つくりにおいでよ!~フライングクリスマスの巻~」

つくりにおいでよ!~フライングクリスマスの巻~

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大串好子さん(写真左)は草加市新田駅前の喫茶店ツネのオーナー。そして新田駅東口の新田ふれあいロード商店街振興組合の理事長です。

金澤萌さん(写真右)は左官職人。川口市を拠点にmarumo工房を運営しています。3年前にふれあいロード商店街の古い建物の2階を借りてLEADという名前のアトリエを設立。ものづくりワークショップの発信地となっています。

金澤さんがRIKKENさんに遭遇したのが始まり

★二人が知り合ったのはいつですか?

大串 私、萌ちゃんがペンキ塗ってるとき、「何してんの?」って声かけたのよ。

金澤 あ、ホントですか? なんかあそこやってるとき、いろんな人に声かけてもらってたから。

大串 いつ通ってもシャッター閉まってた。あんまり活動してなかったってこと?

金澤 そうです。基本的には左官の現場仕事がないときに細々とやろう、というぐらいでしか最初考えてなくて、4月に3年目になるけど、最初の年に半年ぐらいかけて、ワークショップでみんなで作ってきたんです。だからその半年間はほとんどあいてないです。

大串 シャッターしまった中で絵を描いている画家の彩子ちゃんだっけ(※福村彩子さん)とも最近やっとつながって(笑)。画家さんだっていうのが今回「つくりにおいでよ」でわかって。

★「つくりにおいでよ」の1がまずあったんですよね。

金澤 去年の5月が最初だと思います。そのときは「つくりにおいでよ」という名前はなくて……。

RIKKEN(※)さんとまず去年の3月につながったんですよ。RIKKENさんも5年ぐらい借りてるのに……。

RIKKEN(福地立憲)さんは画家、版画家、商品企画プロデューサー。新田のふれあいロード商店街の建物の1階にアトリエを構え、RIKKEN FACTORYを運営している。同じ建物の2階にLEADがある。

大串 そんなに?(笑)

金澤 下は倉庫だから、みたいな感じで聞いていて、挨拶するもなにも倉庫だから考えてなくて。それが去年の3月に、なんか下で作業してたんですよ。若い子二人でやってたから、「倉庫って聞いてるんですけど、何ですか?ここ」みたいな感じで見せてもらって。なんだここ、面白いじゃん!って(笑)

ちょうど彼等が5月の個展の準備をしてたんですよね。

大串 へえ!

金澤 じゃあ面白いからいっしょになんかやろうよ、ってことになって。個展の日程のうちの1日、RIKKENさんのところで印刷して、2階でファブリックボードを作るみたいなの。

大串 ファブリックボード?

金澤 はい。ほんとシンプルなやつなんですけど、RIKKENさんのところで持ってる写真のデータ、その場で布に印刷できるんですよ。その布を1階で作ってもらって、2階でそれを飾れるパネルにするみたいなワークショップをその個展のときにやって。
で、それだけだとつまんないから、LEADにもともと出入りしていた作家さんたちに声かけて、物販する?みたいな。それが最初ですね。

★大串さんはそのときは知らないんですよね。

大串 なんかね、Tシャツ屋さんがいるよ、って。

金澤 そんな感じですよね(笑)。そのときはRIKKENさんの個展ありきで、ちょっと便乗したので、次はちゃんと計画してやろうって。

大串 4、50人来たって。

金澤 それが7月ですね。そのときに「つくりにおいでよ!」っていう名前をつけて。ワークショップもそれだけでなくもうちょっと増やしてやろうって言って。

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↑ LEADとRIKKEN FACTORYが入っている建物。

次々と人が釣れていく

大串 秋山くん(※)が次のパート2で釣れて。

ブティック ルシア代表取締役秋山広一さん。ルシアはLEADとRIKKEN FACTORYの通りを挟んで向かいにある。

大串 リノベーションで知り合ったけいちゃん(※)がもっと連れてきて。

草加市青柳の自家焙煎珈琲屋カフェ・レプラホーンふじたけいこさん。

金澤 そう!

大串 大漁になっちゃったんだよね(笑)釣れた釣れたみたいな(笑)。

金澤 最初のときのをやってるのを、秋山さんが「何やってんの?ここは」って、やっぱぷらっと見に来たんですよ。

★お向かいさんだから。

金澤 「入ってみたかったんですよ」って。「うちとRIKKENさんで次もまたやろうと思ってるんです」って言ったら、「僕も入れて! ルシアも会場に使っていいから。2つだけじゃ狭いでしょ」って。「じゃよろしくお願いします!」って。

最初の「つくりにおいでよ」やったときに好評だったから、ルシアさんとRIKKENさんとうちと、GREEN BUCKERさん(※)とMINERAL FACTORYさん(※)という5人で集まって打ち合わせをしてたんです。

GREEN BUCKERはテラリウムのアーティスト、木原和人さんが主宰している。

MINERAL FACTORYは、天然石アクセサリーの作家、大野智司 (オオノサトシ)さんと七条道子(シチジョウ ミチコ)さんのブランド。

金澤 そしたら、秋山さんが「ツネに行こう!」って。ツネに挨拶に行ってからのほうがいろんなことがやりやすいから、みたいな(笑)。

で、そのままツネに行ったら、ママのところで、みんながバババって繋がって。

大串 はははは!

金澤 不思議でしたよ。あの日1日。

★その日は何月何日?

金澤 9月のどっかだったような気がします。

大串 いっぱいお客さん来たらトイレ困るでしょ。じゃ、うちのトイレ使えば、って言ったの。そのうちなんかどんどんクオリティが高いメンバーが増えてきたから。じゃあ、ツネさんも使おうかって、第二会場になったんだよね。

金澤 人が集まっちゃったんだよね。

大串 やりたい人がいっぱい集まったんで、じゃあ、って。けっこううまいことスペースが決まって7つ。

★テーブルごとに仕切りがあるじゃないですか。うまくできてますよね(笑)。

金澤 ほんとにうまくできてる!(笑)。最高ですよね!やり方が。

大串 そうそうそう!

金澤 いろんな人がいて面白かった。

★その9月某日ってすごい1日ですね。

金澤 すごい1日です。

大串 そうなんです。ぱぱぱってつながって。じゃあ、コーヒー屋も呼ぼうよって、レプラホーンのけいちゃん呼んで。

★元気放送局ともつながりましたね。

金澤 あれもすごい偶然なんです。1回会場をみんなに見せようという最初の顔合わせの日に、待ち合わせをRIKKEN FACTORYとLEADにしたので、通りにみんなうじゃうじゃっといたんです。そこにぷらっと茂垣さん(※)が来て、これ何の集まりですか?って声かけられて。

茂垣行信さん。地球にやさしいランドセルエコランドでお馴染みの(株)メシエジャパン代表。インターネット放送の「草加元気放送局」MC。

大串 へえ!

金澤 こういうことしようとしているんです、っていう話をしたら、「おもしろいっすね」って言われて、「今から飲み会なんですけど来ます?」みたいな(笑)。ほんと初対面なのに。

大串 (笑)

金澤 そのまま飲み会に来て、「実はこういう放送局やってるから、みんなのこと取材していいですか?」「ああ、いいですよ(笑)」。

大串 すごいね(笑)たまたまいて、すごい段取りがポンポンポンポンってうまくいって。

★これって地域が基礎になってるからですよね。ドラマでいつもの店に行ったら仲間がいて「よお!」って言い合うでしょ。そんなのあるわけないだろって思ったんだけど、ここにはある(笑)。

金澤 やってます最近それ(笑)

大串 なんとなく集まってるんですよ。

仕事としてもつながっていく

金澤 「つくりにおいでよ!2」が終わって、解散すると思ってたんです。イベントってそういうもんだと思ってたんですよ。でもみんなつながってるんですよね。「あ、今ツネにいます」「じゃあ俺もいこう!」みたいな感じでぷらっときて、ここでなんかわいわいやってたりとか、仕事につながったり。それもすごい面白い。

大串 仕事でつながったんだよね。

金澤 出展してた人たちの作品をルシアさんで取り扱い、ってことになったり。実際そこでお客さんが作品を買ってるとか。

大串 モガちゃんとRIKKENさんも。

金澤 あ、そうだ、茂垣さんとRIKKENさんも仕事としてやりとりが始まってる。

★へえ!

金澤 うちもちょっとバイトとか、突然人が欲しいときに「空いてる人!」って言ったら、手を上げてくれて。いっしょに現場へお願いしますとか。

大串 上原さんのもそう?

金澤 あ、そうだ、そこもつながってる。RIKKENさんデザインで上原さん(※)が作ってそれをRIKKENさんが販売する。

上原美香さん。ガーゼショップangeを運営。「つくりにおいでよ!2」にも参加。RIKKENさんデザインのスタイ(よだれかけ)が発売されている。

大串 ああ! みんなつながっちゃったの!

金澤 なんかつながってみんながそれぞれ仕事をするようになって。

★すごいことになってますね。

金澤 不思議だなって思う。

★新田ブランドみたいな。

大串 なんとなくね。

★なんか名前がつくといいかもしれませんね。それをトータルで言えるような。

金澤 ああ! おもしろいよね!

イベントに向けて初顔合わせ

★9月某日に怒涛のようにツネに押しかけてきて、一気に決まっていって、そこからが大変ですよね。規模を大きくしてしまったから。

金澤 自分ができる範囲のイベント、LEADとRIKKENファクトリーでやることだったら責任も取れる。その規模でできることを望んでいた。でもいっぱい広がっちゃったら、これ、できるのかなあと思って。

それで当初の予定になかった「顔合わせ会」を設けたんですよ。全然知らない人たちのまんま、顔合わせまで進めることも不安だったんですけど、とりあえずこれはみんなに会ってみないと、みんながどんな人かわかんないし。

大串 そうだね。

金澤 で、とりあえず顔合わせしてみて、あ、いい人たちじゃん、て初めてそのとき思って(笑)。

大串 みんな個性的で、でもなんか穏やかな感じの場だったよすごく。

金澤 あれやってください、これやってください、とかも、うちは年齢的に下のほうなので、上の人たちに言っていいのかなとか。

大串 それは萌ちゃんがリーダーとしてみんな認めてたから、彼女がやりたいようにって。だから責任感がすごい大変だったの。プレッシャーだよね。

金澤 集客できるかどうかも約束できないのに、みんな「やる、やる」ってなってるけど責任をとれるのかなとか、いろんなことを考えてましたね、やるまで。

★金澤さんのイベント仕切って指示するときの感じは?

大串 的確に指示して現場をちゃんと仕切っていた。現場監督の顔してたよ。

金澤 (笑)

大串 「こうしてほしいから、こうだから」って。完成させなきゃあんたたちの責任だよ、みたいな感じでさ。そりゃ監督の顔してましたよ(笑)。

金澤 じゃ、よかったです(笑)

大串 僕達、萌ちゃんについていきます!みたいな、下僕(しもべ)がいっぱいいて。

★しもべ(笑)。

金澤 はははは(笑)。

大串 リーダーとして、すごく向いてると思う。才能的に。

★相当気を張ってたんじゃないか。

金澤 張ってましたよ(笑)。

大串 どんなメンバーかわかんないやつと付き合うんだからね(笑)。

金澤 すごいドキドキしてました。

大串 みなさん、やさしいんですよ。もし、来たお客さんが怪我したらどうしよう、事故にあったらどうしよう。で、保険まで入ってさ。だからイベントやるにも集中して、来てくれるお客さんを喜ばせ、安全を守る。なんかいっぱいにして返すみたいなね。すごいいい感じだったね。

金澤 ほんと、当日がすべてみたいな感じでした。そこに向けて自分がやってること。結果出さなきゃわかんない。何か足りないものがあるんじゃないか、とかいろいろ思っていた。

 

★後編に続く

jitsuni.hatenablog.com

 

横倒し写真展

FACEBOOKにおいて、「逆さ写真シリーズ」につづいて、昨年10月から「横倒し写真シリーズ」を始めました。

塀、フェンス、壁などが道路に沿ってゆったりと描くカーブが、頭を傾けて見ると、急激な上り坂コースに見えてきて目眩に襲われる、という法則を発見したのでした。

草加市内の素敵な目眩を一挙に公開します。

1.松原公園のブロック塀

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手前の水平状態から急激な勾配に突入します。行く先が日陰で視界が悪くなるのも不安感をあおりますね。(2016年10月16日)

2.草加市松江の果てしないハシゴ

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道路沿いのパイプ状のフェンス。横倒ししたら、果てしなく登り続けるハシゴになりました。ジェットコースターのレールを連想すると、ガラガラと登る音が聞こえてきそうですね。(2016年10月19日)

3.草加市松原の果てしないレーシングコース

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ガードレールを横倒ししたら、ミニ四駆のコースみたいになりました。向こうに獨協大学が見えます。(2016年10月20日)

4.草加市西町、柳島治水緑地の断崖絶壁。

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ガードレールの濃い茶色と可憐なコスモスのオレンジ色の対比は鮮やかなのですが、透けて見える空間の高度感が怖いです。(2016年10月21日)

5.草加市松江。古綾瀬川の断崖絶壁

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綾瀬川沿いに設置されたフェンス。この坂道を、ところどころひしゃげた鉄棒を踏みしめながら歩くことを想像するとちょっと震えるかもしれません。(2016年11月1日)

6.松江草加市文化会館の庭

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11月3日、草加ふささら祭りの会場の一つとしてにぎわっていた草加市文化会館の脇の庭に歩み入ると、竹細工風の塀がありました。この坂道(塀)の向こうに樽茶屋があります。(2016年11月3日)

7. 綾瀬川左岸広場にて

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綾瀬川左岸広場の水遊びエリアに建つ塀。水が流れた状態で横倒ししても面白いでしょうね。ところで左岸広場はサガン広場と書くと、『悲しみよこんにちは』のフランソワーズ・サガンと関係ありそうに見えてうれしくなります。(2016年12月3日)

8. 綾瀬川左岸広場の縁石

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綾瀬川左岸広場の縁石。縁石なのですごく低いです。枯れ葉がちょっと寒々しい。(2016年12月3日)

 

以上です。逆さ写真よりも出会えるチャンスが少ないのが難しいところです。

 

 

逆さ写真展

川や池に映った風景の鏡像は美しい。よく写真の対象になります。だがその写真を逆さにしてみると不思議な感覚に襲われます。鏡像だったはずの景色が実像として立ち上がっているのです。しかしその実像は細かく揺らいでおり、現実感がぼやけ、幻想がまとわりついている。

そんな写真を6月からFacebookに断続的に投稿してきました。だいぶたまったので、ここで一挙に見直してみたいと思います。

 

1 手代町の綾瀬川

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草加市手代町付近、綾瀬川の対岸、八潮市側からの風景を逆さにしてみました。上が実像で下が鏡像と認識してしまいますね。ところが実像がぼやけているのに、鏡像が鮮明で存在感が強くなってしまっている。(6月3日掲載)

 

 2 綾瀬川の和舟1(6月13日)

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綾瀬川に浮かぶ和舟の写真を逆さにして見ました。幻想的な舟の旅。彼らは現実に戻れるのでしょうか。(6月13日掲載)

 

3 綾瀬川の和舟2

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人物の輪郭がますます崩れ、冥界に消えていきそうです。

 

4 綾瀬川の和舟3

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  色彩が淀み存在感が薄れていく舟の乗客たち。

 

5 葛西用水の桜

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2015年4月に草加市稲荷の葛西用水の桜を撮った写真を、逆さにしてみました。花びらが舞い上がっているように見えます。

 

6 毛長川1

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草加市と足立区花畑の境界、毛長川に写り込んだ風景を逆さにしました。水中もいい天気です。(6月14日)

 

7 毛長川2

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滲み方が水彩画のようです。

 

8 神明排水機場

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草加市神明の神明排水機場。(6月18日)

 

9 埼玉県立近代美術館

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埼玉県立近代美術館の庭園です。(6月21日)

 

10 埼玉県立近代美術館

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歩いている少年の手元から、小さな波が起こりはじめています。(6月21日)

 

11 越谷市大吉調整池1

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埼玉県越谷市大吉にある、新方川の水量調整のために作られた池の周辺です。水門設備を越えて架かった橋が、水たまりに映り込んだ情景。上のほうがブツブツしています。(7月24日)

 

12 越谷市大吉調整池2

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世界が暗黒に覆われようとしている。

 

13 水たまりの草加小学校

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ゲリラ豪雨でできた水溜まりに映った草加小学校の校舎。淡く霞んだ現実をくっきり鮮やかな鏡像が支えているような、虚実が転倒した世界。魔法の学校だ。(8月21日)

 

14 矢立橋(やたてばし)

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草加松原遊歩道沿いに架かる太鼓橋状の歩道橋「矢立橋」。上下合わさって唇のようです。(9月2日)

 

15 浅草寺

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浅草寺の水たまり。雪が降っているかのように見えるのはアスファルトが透けて見えるせい。(9月23日)

 

 16 越谷市大吉調整池にて

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左下に走る少女が。幻想世界から逃走しているのだろうか。(9月26日)

 

17 秋の空

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泡が浮かんだ海面の空撮か。(10月7日)

 

18 浮遊物体

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草加市手代町の綾瀬川。ゴミの固まりが浮遊している。(10月27日)

 

19 駐車場の水たまり

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草加市内の月極駐車場で大きな水たまりに映る風景を撮影していたら、駐車場管理者から「何してる?」声をかけられた。水に映る風景がきれいだと話したら「なるほど」と言ってくれた。さらに「小鳥がきたらもっといいかもな」と。(10月31日)

 

20 池に映った校舎1

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草加小学校にて。漂う枯れ葉。(11月26日)

 

21 池に映った校舎2

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舞い上がる枯れ葉。

 

22 池に映った木

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草加小学校の池に映った木はすっかり秋の色でした。

 

23 綾瀬川

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草加市綾瀬川にて。快晴でしかも川面は波1つありません。松並木の北の端に、独特の形に枝が分かれている松があります。(12月3日)

 

24 古利根堰

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越谷市大吉と松伏町松伏との境の古利根川にある水門。古利根堰。胸を張って連帯して防衛しているように見えます。12月4日

 

25 アコスエスカレーター

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草加駅前のショッピングビル「アコス」の狭いエスカレーターです。両サイドが鏡になっています。
なんだかよくわからないけど未来っぽくなりました。(12月7日)

 

 

板金屋さんは銅製のゴジラを作っていた

 草加市中央の細い裏道を歩いていました。いやいや裏道なんて失礼です。その昔、葛西道と呼ばれていた重要な道路なのだそうです。
 その通り沿いに「銅仁板金(どうにばんきん)」という建築板金の会社がありまして、窓ガラスの内側に展示されているちりとりがシンプルでいいなと前から思っていました。
 今日は壁面の銅板打ち出しの看板にふと目がいきました。松の枝から鷹が下を睨む、かっこいいい絵柄だったのです。

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 ↑  銅仁板金の看板レリーフ

 立ち止まって写真を撮っていたら、ちょうどそのとき年配のご主人(社長さんでしょうか)が出ていらっしゃったので、思わず挨拶しました。
 僕は展示されてるちりとりについて尋ねました。
「あのちりとりは売り物ですか?」
「ああ売り物だよ。300円だ」
 なんという安さ! もっと立派なやつは1,000円とのことで、拝見したいと申し出てみたところ、中にどうぞと案内されました。
 階段を上がって2階の作業場に、立派なちりとりの在庫がたくさんありました。

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 ↑ 1,000円のちりとり

「これは木製の柄だけで仕入れに400円かかっている」
「それじゃ儲かりませんね」
 この1,000円のちりとりは、形も細部もたいへん美しくて欲しいなと思ったのですが、ちょっと置く所に困りそうだったので、300円のものを買うことにしました。
「それは1階だ」
 1階に戻ったらご主人は写真を見せてくれました。それは集合写真でした。ご主人は今80歳で、つい最近「傘寿(さんじゅ)」を祝って草加小・草加中の同窓会があったのだそうです。
 ご主人はつづいて銅の破片がたくさんはいったトレイと、ゴジラペーパークラフトの説明書を見せてくれました。
 これはいったいどういう意味でしょうか。

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 ↑ 銅板を切り抜いたゴジラの部品

「もしかしたら、銅板でゴジラを作るんですか?」
「そう!」
 ご主人は説明書の通りに、紙ではなく銅板を切り抜いて小さな部品をこつこつと作っているのです! すべての部品を組み上げていくと、銅製のゴジラの完成となるわけです!
 部品はトレイ2杯分ありましたが、ここまで切り出すだけで2ヶ月もかかったとのこと。ゴジラ本体の完成はいつになることでしょう。完成したら絶対見に来たいと思いました。
 表が茶色で裏がグリーンのちりとりを買って帰りました。角のギザギザの絞りがかわいいです!

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 ↑ 300円のちりとり

 

そうかバンドフェスティバル。出演アーティスト11組、6時間におよぶコンサートが開かれた。

 

 9月24日(土)、草加のアコスホールで「そうかバンドフェスティバルVol.1」が開催された。

 出演アーティスト11組、6時間におよぶコンサートだった。

 このイベントの母体は、調布(東京都)で開催されている「ちょうふバンドフェスティバル」だ。キャッチコピーは「社会人バンドの発表会」

chofuband.com

 今年7月に第14回が行われ、なんと約7時間で18組が出演する大イベントになったようだ。

 そのイベントの草加出張版のような形で、今回「そうかバンドフェスティバル」が開かれた模様。

 以下、とくに気になったバンドについて書いていこう。

fujimi-guys--キラキラした80年代のバンドサウンド

 fujimi-guysは9人編成。ボーカルが5人(うち女性が2人)もいて、ずら~っとステージに立つ姿が壮観。メインボーカルが曲ごとに入れ替わり、それぞれの個性(クセ)を思う存分表現していた。

 演奏曲は、CHAGE and ASKA八神純子ゴダイゴORIGINAL LOVEなどの曲のカバー。キラキラした音で、80年代のバンドサウンドを思い出した。

 キーボード担当が井坂治さんといって、そうかバンドフェスティバルと、母体となったちょうふバンドフェスティバルのプロデューサーである。井坂さんはこの日TWDOOBというバンドでもキーボードを弾いていた。

 ボーカルのTAKAKOさんとYUKOさんも複数バンドの掛け持ちをしていた。

 バンドの掛け持ちって、大学の軽音楽部を思い出す。ちょうふバンドフェスティバルとは、大人の軽音楽部なのかもしれない。

参考動画:【fujimi-guys】パープルタウン(Cover)@SBF01(そうかバンドフェスティバルでの演奏)

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お玉バンド--MCでのギャップも含めてプロフェッショナルなエンタメ

 お玉バンドは親子だっていうからすごい。ギターがお父さんでボーカルが息子。お父さんは長髪と髭とサングラスで、バンドマンのなれのはてみたいなオーラが漂う。息子はガタイが大きくちょっと耽美的なムード。

 オリジナル曲のバックトラックを流しながら、ギターとボーカルの華麗なテクニックを披露する。

 ボーカルは氷室京介とかB'zとかにも似たちょっとしゃくれた節回しで、なかなか男前な歌い方……、のはずが、MCで脱力してしまった。ちょっと北関東の訛り。高い声で早口でおどおどした感じなのだ。歌ってるときは大物っぽいけど、MCでは小物感丸出し。なんだ怖い人じゃなくていい人なんだ。

 そのギャップも含めて、素晴らしいステージパフォーマンス。オリジナル曲の組曲的構成力もすごいし、エンタメとしてプロフェッショナルだ。

参考動画:不埒な衝動 / お玉バンド

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CROSSROAD--ウエストコーストロックで青い三角定規

 CROSSROADアコースティックギターストロークが効いている。また女性1人と男性2人がコーラスで頑張っているところも特徴。伸びやかなサウンドはアメリカのウェストコーストロックみたいだ。CSN&Yとか。

 オリジナル曲は意外とウェットなメロディーと歌詞で、女性ボーカリストがメインになると、70年代のフォークグループ、青い三角定規を思い出してしまった。

参考動画:CrossRoad 横浜ハーバーライン @そうかバンドフェスティバル

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Swingy Velvet--八神純子荒井由実を同時に歌う!

 Swingy VelvetTAKAKOさんとYUKO女性2人のデュオ、。ガット・ギターのMacchanがボサノバでサポート。ギターも歌もやたらうまい。ハーモニーがとてもきれい。

 音楽的技術の高さを思う存分発揮したのが、「思い出は美しすぎて」(八神純子)と「あの日に帰りたい」(荒井由実)を混ぜて歌ったパフォーマンス。

「コード進行が同じなのでやってみました」とのこと。

 1人がメインになって「思い出は美しすぎて」を歌い、2コーラス目でもう1人がメインで「あの日に帰りたい」を歌ったが、あまりに自然で曲が変わったことに気づかなかった。ついには2曲を同時に歌ってみせた。完全に1曲に溶け合っている!

参考動画:思い出は美しすぎて~あの日に帰りたい(そうかバンドフェスティバルにて)

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 ちなみに大滝詠一キングトーンズのためにプロデュースした「ラストタンゴはヘイ・ジュード」という作品がある。

 ポール・マッカートニーが「ラストダンスは私に」を聴きながら「ヘイ・ジュード」を作曲したというエピソードをもとに、2つの楽曲をマッシュアップしてしまったのである。

キングトーンズ - ラストダンスはヘイ・ジュード (大滝詠一プロデュース)

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サイガース--これはパブ・ロックか

 コンサートの最後はサイガーが務めた。男性5人と女性1人の6人組で、この日唯一の草加市をホームとするバンドだ。

 草加市ではいろいろなイベントに出演するのでおなじみ。2015年の草加ミュージックフェスティバルで、アマチュアバンドの人気投票「第1回総選挙」で優勝したチーム。

 前に座っていたおそらく調布から初めて草加に来た客の会話が聞こえた。

サイガース見たことある?」

「いや初めて」

「見ておいたほうがいいよ」

「ほお、楽しみだ」

 さて、以下は演奏曲目にちょこっと調べた情報を付け加えて紹介する。

 1曲目めはいつものサイガースのオープニングテーマ、「Steppin'out」。突進力のあるナンバーだ。剥き出しのゴリゴリしたギターの音で、こいつらタダモノじゃないぞ、と知らしめる。

 この曲は1960年代後半にエリック・クラプトンクリームがカバーした曲だが、もともとはメンフィス・スリムが1959年にリリースしたブルース。ブルースからハードロックに変身した曲だ。

 2曲めはクラッシュの「I Fought The Law」。1977年のパンク。

 続いて「born to be wild(ワイルドでいこう!)」はステッペンウルフの1968年のロック。アメリカン・ニューシネマの代表映画「イージーライダー」で使用されて大ヒット。

The Dock Of The Bay」は1968年、オーティス・レディングのソウルの名曲。

Stand By Me」は1962年のソウル歌手ベン・E・キングの作品。

 そして「Daydream Believer」。アメリカのアイドルグループ「モンキーズ」の1967年のポップ・ロック。最後のところで日本のタイマーズ忌野清志郎が歌った日本語歌詞が歌われる。

「僕はデイドリーム・ビリーバー。そんで彼女はクイーン」

 そして「ジョニー・B.グッド」は、1958年に出たチャック・ベリーの不滅のロックンロール。

 最後の「監獄ロック(Jailhouse Rock)」は、エルヴィス・プレスリーの1957年の大ヒット曲。

 これらの曲の時代は1950年代から70年代。ジャンルはブルース、ソウル、パンク、ハードロック、ロックンロール、ポップ・ロックなどにまたがってるが、間違いなく各ジャンルを代表する不朽の名作たちだ。

 オーティス・レディングもクラッシュもモンキーズもレパートリーにしているバンドってなかなかないだろう。だがサイガースがやると、どれも男臭いロックンロールになってしまう。

 荒削りでリラックスしていてカッコつけてて、やたら(酔った)客にウケるバンド。

 そういうのって「パブ・ロック」なのではないだろうか。70年代を中心にイギリスのパブで労働者たちに聴かれていた百戦錬磨のごついロックだ。

 さて「ジョニー・B.グッド」を歌ったころには、ツイストやりだす客が出てきた。とうとうステージに上がって踊るスーツの男が出るほどの盛り上がりになった。

 そのスーツの男は曲が終わったら一礼して降りようとしたが、メンバーが「ケンジさん、そのままそこにいてください」と、サングラスの強面に似合わない丁寧語でお願いして、ケンジさんは最後の「監獄ロック」をいっしょに歌った。

 調布勢のキラキラしたサウンドや洗練されたボーカルテクニックに対し、草加代表が荒削りなパブ・ロックなのが小気味いい。

参考動画:サイガース 第11回 草加ミュージックフェスティバル

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浅草活弁祭り--「瞼の母」は撮影も編集もシャープでかっこいい

 9月22日から24日までの3日間、浅草木馬亭「浅草活弁祭り2016」が開催されていました。

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 草加市在住の活弁麻生八咫(やた)さんとその娘さん麻生子八咫(こやた)さんが、次々と名作サイレント映画活弁をつける、「映画ライブ」のイベントです。毎年やってます。

 23日(金)の午前中に行ってきました。

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 最初に麻生子八咫さんの活弁バスター・キートンの短編を活弁で上演しました。

 キートンを追いかける警察官たちの人数があり得ないほどでした。広い道路を埋め尽くすほどなんです。そこから逃げる逃げる! 笑うというより驚きの連続の映画でした。

 子八咫さんは20年前1996年の9月15日に、ここ浅草木馬亭デビューしたのでした。そのときなんと10歳!

 それから20年なので、今は30歳です。もう円熟の域でしょうか。現在東京大学大学院博士課程に通っている才女で、博士論文執筆のため活弁は今回を持ってしばらく休止するそうです。論文のテーマは「活弁」だそうです。

 そして麻生八咫さんの登場です。映画は瞼の母。初めて見ました。1931年の稲垣浩監督作品で、片岡千恵蔵が主演。山田五十鈴も出演して可憐な表情を見せていましたが、ええ? 当時14歳!? 天才ですね。

 江戸時代の話でした。若い旅の博徒が生き別れた母親を探すために江戸に向かいます。とうとう母と会えたのですが……。

 麻生八咫さんが1人で全出演者の声を出していましたが、映画の面白さに熱中して、活弁士の存在をほとんど忘れていました。映像の力もありますが、麻生さんの技術の高さによるところも大きいと思います。女性の声も、男性のさまざまな個性の声も使いわけていて、なのに活弁士がんばってるな」と思わせないほど、声が映像に自然に溶け込んでいました。

 また、舞台右袖には後藤幸浩(ゆきひろ)さんという薩摩琵琶奏者がいて、映画の伴奏をリアルタイム生演奏で行っていまいした。場面に合わせて風の音、乱闘の音、悲しみの音など様々な音色を弾き分ける琵琶の表現力に驚きました。琵琶は形も美しかったです。

 さて、映画がとても面白かったことを強く訴えたいです。

 内容を知らずに臨んだので、なんとなく親子の情をしっとり描く、舞台劇をそのまま撮影したような地味な作品ではないかと思いこんでいました。

 ところが、情愛はもちろん深く描いているのですが、アクションもたっぷりなんです。そして撮影や編集もシャープでかっこいい。85年も前(!)の映画なのに新鮮さがありますよ。まあ画質はひどいですけど。

 編集のシャープさは、たとえば、生き別れの息子にせっかく会えたのに追い返してしまった母を、娘が問い詰める場面の、母と娘の過剰な回数の速い切り返し。「おっかさん!」「……」「おっかさん!」「……」「おっかさん!!」

 その生き別れの息子(片岡千恵蔵)がごろつきどもと刀で死闘を演じる場面と、息子を探して籠を走らせる母と娘の場面を交互に見せる緊迫感。速く速く! 籠の場面は足元だけ撮影して、しかもカメラが傾いている。もっと速く! 

 現代の映像作家たちは、サイレント映画を見直すとずいぶんと勉強になるのではないでしょうか。えらそうにすいません。