Eテレの「ヒャダ×体育のワンルーム☆ミュージック」見ていて、自分の部屋で音楽を作る素晴らしいミュージシャンたちが、どんどん公開しちゃいなよ、と勧めてくれるので、昔の自分の曲をSoundCloudに登録し始めました。
↓ 6曲登録してあります(その後1曲増えた)。
jitsuni | Free Listening on SoundCloud
カセットデッキ2台で多重録音
高校生のころから、自宅で録音を始めました(1970年代後半)。
カセットデッキを2台使います。1台は友人が古いのを提供してくれました。ミキサーとマイクは買いました。
ミキサーにマイクを指して、カセットデッキAに何か(ギターとか)を録音します。カセットデッキAで、録音した音を再生しながら、マイクから何か(パーカッションとか)を鳴らします。ミキサーで調整した音をカセットデッキBで録音します。
次にカセットデッキBの音(ギターとパーカッション)を再生しながら、マイクで何か(歌とか)を演奏して、ミキサーを通してカセットデッキAに録音します。
以下A+演奏→B、B+演奏→A……、と繰り返して音を重ねていきます。
最初カセットデッキAを再生専用、カセットデッキBを録音専用にして、Bで録音したカセットテープをAに入れて再生、なんてことをやってみたら、カセットデッキって再生速度が微妙に違っているんですんね。どんどん速度と音程がずれていっておかしくなってしまいました。それでAで録音したら必ずAで再生する。Bで録音したらBで再生する、という原則を守りました。
KUFU(工夫)を重ねてカセットデッキ2台使いを追求
こんな風に録音を繰り返していくと、空気音とテープヒスノイズが重なってどんどん大きくなり、最初に録音した音がどんどん弱くなってしまいます。そこでKUFU(工夫)が蓄積されていきましたよ。
弱く潰れてもまあいいかなという音は最初のほうに録る。まあ打楽器ですね。リズムキープのガイドにもなります。続いてベースや伴奏の楽器。ギターのストロークとかですね。際立たせたい音、歌とかリード楽器は最後にします。
ノイズの余地を減らすために、毎回音が割れない程度の最大音量で録音することも大事ですね。
1979年にカセットで多重録音できる4トラックのマルチトラック・レコーダー「TEAC 144 Portastudio」が発売されました。ミキサー内蔵で、4トラックに綺麗な音質で演奏が録音できます。画期的な機械でした。
これ僕は買ってなくて、知人からちょっと借りたことがあるんですけど、おいおい4回で録音終わりかよ!と落胆しました。ここでピンポン録音です。3トラック分を録音に使ってしまったら、それをミックスして残り1トラックに録音し直すんですね。すると元の3トラック分は消去してまた新たな録音に使えます。でも完成品はモノラルになります。
どうもうまく使えないまま返却して、僕はカセットデッキ2台使いを追求する道を選びました。
ピンポン録音とはこんなふうにマルチトラックのやりくりをすることを指すので、僕のような録音は厳密にはピンポン録音とは言わないのかもしれませんが、カセット2台を行ったり来たりするのはピンポンっぽいでしょう。
全然違うけどウェザー・リポートを意識
大学時代(1980年代前半)、毎日のように自宅の自室で録音し続けました。部屋を大吉(おおよし)スタジオと名付け、友人を呼んではセッションしました。楽器も集まりました。エレクトーンやシタールを借りていた時期もありました。
楽曲の完成度や演奏、録音の出来の良さがいちばん表れた(当社比!)代表作は「とびきり上等」という曲でしょうか。打楽器は借りていた琴(立てて裏側を叩くと素敵な響き)、缶のゴミ箱、そしてハイハットです。ベースはフレットレス! あとローランドのストリングスキーボード。リコーダー。すべて僕ひとりで演奏しました。
このときはたぶんアメリカのフュージョンバンド「ウェーザー・リポート」を夢に描いていたんだと思います。ジャコ・パストリアスにあこがれてフレットレスベースを借りて弾いてみたり、「パンクジャズ」の長く引きずるハイハットの音が欲しくて、ハイハットだけ単体で買ったり、またときどき聞こえるオリエンタルな雰囲気を狙ったりしました。 全然ウェザー・リポートっぽくない仕上がりですが。
それでは聴いてください。「とびきり上等」 !