草加小話

埼玉県草加市での暮らしで拾ったエピソードとそうでないエピソードを綴ります。

ソーシャル・ディスタンス界隈について

社会的距離から物理的距離へ

新型コロナウイルス対策のために「ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)」を保ちましょうと言われている。ソーシャル・ディスタンスとは「2メートル離れろ」という意味だと理解されているのだろうか。「ソーシャル・ディスタンス」は「クラスター」や「三密」と並んで、最近普及した逆らい難い強い用語だ。

でもなぜ「ディスタンス(距離)に「ソーシャル(社会的)」がついているのだろうか。

「社会的距離」はもともとは社会学用語なのだそうだ。社会における集団と集団の間や、集団と個人の間の親近感の度合いを示す用語で、集団とは人種や地域や宗教や職業別の集まり。集団と集団は対立しがちだし、特定集団に対して個人は偏見を持ちがち。隔たりがちな社会的距離をなんとかして近くすることが求められている。だから「社会的距離を広げろ」というアピールは誤解を招く。

調べたら、WHOもそのことを危惧していて、「社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)」の代わりに「物理的距離(フィジカル・ディスタンス)」という用語を用いるよう提案したそうだ。

<新型コロナ>「ソーシャル・ディスタンシング」→「フィジカル・ディスタンシング」 人との距離、言い換える動き:東京新聞 TOKYO Web

フィジカル・ディスタンスを広げソーシャル・ディスタンスを近づけるためには、SNSソーシャル・ネットワーク・サービス)の活用も有効だ。

クラスタ界隈

クラスタ」は「集団感染」という意味になってしまった。どこそこの夜の店でクラスターが発生って。本当は「集団」という意味しかないはずなのに。そのうち「夜の店で<集団>が発生」でも、新型コロナウイルス関連の意味として通用するようになるかもしれない。

ところで「クラスタ」というと昔のネットスラングでは同好者の集まりという意味。
そのクラスタと似た意味の言葉で「界隈」という用語もかつてはよく見かけた。アイドル界隈、アニメ界隈、ももクロ界隈……。

「アイドルクラスタ」よりも「アイドル界隈」のほうがちょっと婉曲的だろうか。自分なんかそのジャンルの真ん中というよりまだまだその界隈でうろついている若輩者ですよ、と謙遜するイメージ。

界隈はまたまちづくりのキーワードでもある。新しい都市には「界隈性」が求めらていると、多くの識者が主張している。もはや界隈はまちづくり関係者にとっては1つのジャンルだ。「界隈界隈」。