草加小話

埼玉県草加市での暮らしで拾ったエピソードとそうでないエピソードを綴ります。

とにかく腰から何かぶら下げたい文化誌

僕はスマホを入れるポーチをベルトからぶら下げている。とにかく腰から何かぶら下げたくなる。鍵束やチェーンなど、腰から何かぶら下げる人が多いのは、ファッションであり文化でもあると思う。

僕は阿波おどりを数年前までかれこれ10年間ほどやっていた。阿波おどりの踊り手たちは男も女も帯から印籠をぶら下げる。

特に男踊りは帯を低い位置で締めて、印籠を長い紐で吊るして、腰を落として踊るので印籠が地面に接触しそうになる。さらに瓢箪をぶら下げる人もいる。かなり大きい瓢箪。

僕は大太鼓担当でした。一般的に大太鼓はあまり腰を落とさないので、印籠や瓢箪の紐は更に長い。僕がいた連は大太鼓が暴れるタイプだったので、印籠の紐が長すぎると地面に激突するのでほどほどの長さ。ちなみに僕の印籠は自作、手作り。

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手作りの印籠の例。塗装に凝っていたな。

僕は鉦を担当することも多かった。鉦を叩く撥は腰からぶら下げた細長い袋に入れていた。何本も入れていた。演奏中に撥の先端(鹿のツノ)や柄が割れたときに備えて。

ある連の鉦担当は、竹筒に撥を入れてぶら下げていた。矢筒を連想した。

腰の物といえば、サムライの刀。長い刀を帯に差しているシルエットもかっこいい。たいてい2本差している。長い鞘が地面に垂れている。

聖徳太子肖像画を見ると、帯から紐を垂らして紐に長い刀をくくりつけている。ぶらりとした感じが現代のぶら下げ文化に通じるかも。

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ガンマンの拳銃ホルスターベルトのずれ落ち具合もいい。その低さが早撃ちに適しているように見える。機能的。

美容師がお尻側にポーチをぶら下げていて、そこにびっしり差してある様々なハサミや櫛類を見ないで取り出している様子は、ちょっとガンマン。

機能的でかっこいい腰の物の最高峰は鳶職のツールベルトだ。ぶっといベルトにぐるり1周取り付けられた無数の工具。以前見せてもらったら、すべての工具に紐やチェーンがついていて、うっかり手を放しても落下しない。

またたいていの鳶の人は腹や腰まわりが引き締まっている。アスリート体型。その腰にごついツールベルトだ。そして膨らんだズボン、ニッカボッカーを穿いているので独特のシルエットになるよね。スズメバチ的な。

ロックバンドのベーシストで、ベースを低い位置で構える人のかっこよさにも言及しておきたかった。髙い位置のベーシストにはテクニック重視の真面目さが見えるが、低い人にはヤンキーっぽさ、アウトローっぽさが漂う。ガンマン、浪人のサムライ、鳶の人の孤高感に通じる。聖徳太子は?