4年2組とは2人組のボーカルユニットです。メンバーはゆうきさんとかんごさん。背の高いゆうきさんが草加市出身だそうです。
ほぼ毎日、東京、埼玉、千葉を中心に路上ライブを行っています。草加駅前でもよく見かけます。
うちの娘が以前から彼らに注目していたので、先月、草加駅前でパフォーマンスをやっているときCDを買ってみました。すると「ぜひライブに来てください」とチケットをくださったのでした。
せっかくいただいたので、そのライブに先日(1月19日)行ってみました。場所はJR山手線大塚駅から徒歩3分のライブハウス、大塚Heartsです。
CDを聞いて、歌がうまいな、とは思ったのですが、正直ライブにとくに強い期待はありませんでした。
◆先入観を完全に裏切る音楽世界
さて、そのライブですが、複数のアーティストが出演する公演で、最後に4年2組が登場となりました。それに合わせてロビーからホールにどんどん観客が入ってきました。小さいホールなのですが、オールスタンディングで数百人、びっしりの観客でしたよ。つまり別格なんです。ほとんど若い女性でしたね。
そこから始まったパフォーマンスは、フォークデュオの素朴な歌、というような漠然とした先入観を完全に裏切る音楽世界でした。
ステージに登場した4年2組は野球ユニフォーム風のシャツを着ていました(ファンの多くも同じく野球シャツ着用者でした)。
サポートメンバー4人を含めた6人がステージ上で横一列に並んで、「青春学園校歌」を歌いました。思いっきり校歌風の曲とアレンジなんですが、歌詞が微妙におかしいのです。最後は「嗚呼青春学園、永遠(とわ)に、Forever♪」を繰り返します。
さて、4人のサポートメンバーの中に小柄な女性が混じっていました。勝手に4人の担当楽器を、ドラム、ベース、ギター、そして女性がキーボードと予想してしまいました。
ところが予想が外れました。小柄な女性が担当した楽器はドラムでした。そのドラムの重厚さ、安定感がすごかった! しかもずっと笑顔!
エレキギターが2人でした。その音色はかなりゴリゴリでラウド! ドラム、ベースとともに響く音は、路上ライブでのイメージとは大違いで、かなり激しいロックでした。かっこいい!
そんなサウンドのかっこよさにちょっとショックを受けた上に、そこから笑いあり涙ありそしてお祭り騒ぎありの、トータルなエンターテインメント・ショーが繰り広げられたのだから、ビックリポッンなのでした!
最初なぜか馬の頭を被って校歌を歌っていたかんごさんは、馬を取ったあとひとりで延々とコントをやって笑いを取ったかと思うと、つづいてこんなコール・アンド・レスポンスを観客に要求しました。
「持って来い持って来い、酒! 持って来い持って来い、青春!」
青春ソングというより、宴会ソングですね。
◆U2とも共通する音楽性
そんな底抜けの明るさいっぱいの曲もあれば、ゆうきさんが観客たちに向けて「絶対死なないでほしい」と語ってから始まったある男(元少年)の悲劇の歌もありました。
この曲は循環するコード進行とミドルテンポの大きなビート感と歌の合間に降り注ぐキラキラギターが素晴らしくて、アイルランド出身の偉大なロックバンドU2とも共通する音楽性があるのではないか、などとふと思いついたりしました。そのずっしりとしたサウンドに乗せてゆうきさんが高らかに歌い上げるメッセージは、ずんずん胸に迫ってきました。
そして、4年2組がこだわりつづける「青春」の意味が気になり、いつかご本人たちに聞きたいと思いました。
少なくとも「青春」をテーマにすることによって、楽しさも悲しさも馬鹿馬鹿しさも感動も、同じステージに載せられたのだということはわかったような気がします。
最後には観客がみんなボンボンを振って跳ねて歌って、盛り上がって終わりました。何だろう、この充実感は……。
今度来るときは動きやすい服装にしよう。