草加小話

埼玉県草加市での暮らしで拾ったエピソードとそうでないエピソードを綴ります。

草加ミュージック・フェスティバルで、つのだ☆ひろさんやそのファンたちに聞かせようと草加市歌を大きな声で歌った

2月7日(土)・8日(日)に草加市文化会館で「草加ミュージシャン・フェスティバル」が開催された。2日間の開催のうち2日目を観に行った。見ることができたミュージシャンについて感想をメモしてみた。

 

草加松並太鼓

11時、ホールの隣のコミュニティ棟でライブが始まった。

3階の広い部屋に和太鼓が並べられていて、これから太鼓団体、松並太鼓が始まるところだった。
草加市中根(草加市文化会館の近く)の太鼓団体。子どもたち10人が、約10分間で4曲ほど、ノンストップでまるで1曲の長い曲のように演奏を展開した。

曲はシンプルだけど、やぐら太鼓と斜め置き太鼓のコールアンドレスポンスなど、構成のうまさで聞かせる。

 

◆いなせ連

続いて阿波踊りのいなせ連の番だ。流し踊りで踊り込んで来たのは、子供の鳴り物に率いられる踊り手たち。笛、鉦、締太鼓2丁、大太鼓3台、鼓(つづみ)の8人の鳴り物を女の子中心に構成している。子供だけで鳴り物全パートができちゃうのは、初めて見た。

踊り手は子供(幼児も)と女踊り、男踊りで20人ぐらいだったか。

鳴り物は入場後は本職の大人に交代。笛3人、三味線1人、竹(打楽器)1人、大太鼓3人、締太鼓2人、そして鉦。

不思議な演出があった。子供だけの演舞。一人の女の子を囲んで、輪になる。中の女の子が笛を吹く。輪になった子供たちが「♪ いのこ いのこ」とわらべうたのように歌う。

あとで連長の説明があったが、広島など西日本で行われる「亥(い)の子まつり」で歌われるものだそうだ。関東の人には新鮮に感じられるが、西日本出身の人には懐かしく感じられるのかもしれない。いろんなところから演舞のアイデアを持ってくる、進化する阿波踊りだ。

45分間でたっぷり楽しみが詰まった出し物だった。

 

獨協大学アカペラサークルOLFM

12時35分から獨協大学のアカペラサークルOLFMの6人グループが登場した。パートは、ボイスパーカッション、ベース、コーラス3人とメインボーカル。

最初にビートルズの「Let It Be」。繊細なハーモニーの上に語りかけるようなメインボーカルが乗っている。

次にアカペラのパート紹介を、声を出しながらしてくれた。ベースから始まって、コーラス1、コーラス2、コーラス3と音を加えていく。

おや、この曲は何? 最後にメインボーカルが加わると「この木何の木」でお馴染みのCMソング「日立の樹」だとわかった。

いったん6人が下がり、男子が1人登場。ヒューマン・ビート・ボックスの使い手だった。緊張しているので、と腕や上半身ひねる。すると骨が「コキコキ」と鳴る音が口から出る。なかなかの芸達者だ。

さて演奏は…。メロディーを途切れずに歌いながらドラムの音を出し続ける高度な技を繰り出す。マイケル・ジャクソンの曲では、さらにムーンウォークも見事にこなした

実行委員の瀬戸さんによると、実はこの日参加予定だったグループが全員インフルエンザかかってしまい、急遽このグループが登板したのだという。1年生チームなので、これからもっとうまくなるとのことだ。

 

ここで3階会場をあとにして、1階会場に向かった。真渕りかさんが歌っていた。会場内で中華の珍来の餃子と焼きそば、CoCo壱番屋のカレー、ティールームJUNEのホットドッグ、グリーン・パルのコーヒーが売られていた。カレーとホットドッグを食べた。

 

◆ワッシー&ルーツバンド

3階に戻る。14時からワッシー・ヴィンセント・ジュニアさん率いるワッシー&ルーツバンドの演奏が始まった。ワッシーさんはカメルーンから来た草加市在住のミュージシャン。ドラマーにして三味線奏者(新内の名取り)だ。

さすが草加を代表するミュージシャン。会場が満員で、立ち見もいる。

メンバーは、合計13人。ボーカル&コーラス4人、キーボード、バイオリン、ベース、ギター&サックス、コンガ。そしてワッシーはドラムと三味線。

1曲目の「無理」は歌詞が「納豆、塩辛、生卵だけ。よっぽど嫌いなんだろう。でもリズムパターンが次々と切り替わり全く別の曲に変化しまくる。

曲によってワッシーさんが三味線を弾くときは、ドラムを若い3人の男女が交代で担当。ワッシーさんの音楽スクールの生徒だという。いわゆるロックのドラムではないので相当な技術が必要だと思う。なにしろ同時に複数のリズムパターン(6拍子と4拍子とか)が立ち現れているような音楽なのだ。

同時にいろんなことが起こる音楽だから、コーラスばかり聞きいってしまうときがある。コンガが高らかに響くときコンガがメロディー楽器だと感じるときがある。ギタリストがサックスに持ち替えたとき、サックスの音色がまるでギターのように聞こえるときがある。三味線はアフリカの打楽器の一種に聞こえたり、津軽三味線に聞こえたりする。

とても表情豊かな音楽の世界。それがワッシー&ルーツバンド。

ボーカルのナナオさんがCDを紹介した。「ZAZA」というアルバム。ジャケットがワッシーさんの顔。厄除けになるそうだ(笑)。

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草加ミュージック・フェスティバルのリーフレットと、厄除けになるというワッシー&ルーツバンドのCD「ZAZA」。


◆♭おれんじ♪

15時に2階からつながっているホールへ向かう。雨が降っていた。

ロビーで♭おれんじ♪という10人編成のブラスバンドが「あまちゃん」を演奏していた。みんなオレンジ色のスカーフを首に巻いたり髪につけたりしていた。「聖者の行進」では手拍子を求められた。ディキシーランドジャズの2ビートなので、速い裏打ち。バラバラの手拍子になったが、楽しかった。

 

◆リバーサイドゴスペルクァイアー

続いてリバーサイドゴスペルクァイアー草加市内の教会、リバーサイドチャペルを中心に活動しているゴスペル聖歌隊だ。17人の男女が明るく力強く歌い上げている。

指揮していたのがDirectorのKazumiさん。彼女は最後の「オー・ハッピー・デイ」ではメインボーカルになった。そのすごい歌唱力に驚いた。ゴスペル合唱隊がここまで鍛え上がれてきたのはこの方の指導力あってこそなんだろうなと納得。

 

16時、ホールのステージはよさこい・そうか連による演舞から始まった。

ここからようやく2日間に渡る大イベントのメインパフォーマンスのスタートである。

そして続いて登場するミュージシャンは2組だけ。1日に1つの場所で多くのミュージシャンが登場した去年までの公演とは仕組みが大きく違う。

第10回の今年は、複数の日に複数の場所で、しかも食べ物も飲み物も(酒も)ある。あっち行ったりこっち来たりの移動もまた楽しい。ちょっとした音楽フェスだ

 

◆Jimbo'sジャズオーケストラ

Jimbo'sジャズオーケストラは19人編成。ピアノ、ギター、ベース、パーカッション、ドラム、サックス(5人)、トロンボーン(4人)、トランペット(5人)。リーダーの神保さんは草加吹奏楽部出身だ。

演奏したのは5曲。去年もやったウェザー・リポートの「バードランド」はやっぱりすごい迫力。14本のブラスが一斉に小節の半拍(はんぱく)手前から切り込んでくる(いわゆるアウフタクト、その勢いがカッコイイ!

 

つのだ☆ひろ

最後はいよいよつのだ☆ひろさんだ。バンドは5人編成。つのださんのドラムとボーカルを中心に、ベースとギター、ピアノに加えてキーボードがいる。キーボードはハモンドオルガンもやる。

ビリー・プレストンサム・クック、そしてフレディ・キング。地味な選曲。

つのださんによると、ブルースの三大キングは、B.B.キング、アルバート・キングともう一人、地味なキングがフレディ・キングだという。自分の役割は、地味であまり歌われない曲を歌うことだ、とつのださんは話した。

つのださんの代表曲「メリー・ジェーン」。今回はジャズ・ブルース・ファンク・ロックバージョンということで、音の強さが印象的だった。

さて、バンドが引き上げて、20人の男女が裾の長い服をまとって登場した。つのださんもやはり長い服。Precious One Singersというクワイア(ゴスペルの聖歌隊)のグループだ。メンバーはつのださんが主宰する音楽学校の生徒たち。たまたまついさっきロビーでリバーサイドゴスペルクァイアーを聞いたところなので、興味深く待ち構えた。

曲はつのださんのオリジナル曲。ブラスも入るフルバンドの壮大なカラオケが流れ、つのださんがマイクを持ってリードボーカルを取る。パワフルなソウルミュージック。20人のクワイアは、左右ステップで体を揺すりながら大きく口を開けて歌っていた。

その20人のコーラスを目一杯浴びたかったが、音響バランスのせいかコーラスが後ろに引っ込んでいて、ちょっと物足りないように感じた。

満員の観客はノリノリで楽しんでいた。かなりの割合がつのださんのファンだったかもしれない。「僕は君のヴァイタミン」という曲は両手を使った振り付けがあるのだが、みんな両手を振り上げていた。

最後にミュージシャンやスタッフがステージに上がって、観客もいっしょに草加市想い出はいつもを歌った。

中村八大作曲のスイングする市歌。この自慢の曲をつのださんや、つのださんのファンたちに聞かせようと、大きな声で歌った。