草加小話

埼玉県草加市での暮らしで拾ったエピソードとそうでないエピソードを綴ります。

阿波踊り合同自主練習会「あわともクラブ」から大きな刺激を受けた

 2月23日(日)、草加市内の長栄小学校体育館で、「あわともクラブ」という阿波踊り練習会がありました。僕が所属する草加阿波踊りチーム「ほおずき連」のメンバーも6人で参加し、合計60名ほどの参加者たちといい汗を流しました。

◆関東の阿波踊りネットワーク

 「あわともクラブ」は2007年から続く「冬季練習難民阿波おどら~さん救済のための自主練習スペース」です。

 主催しているのはにわこやまさんという女性です。阿波踊り愛好家達から「元締め」と呼ばれているにわこやまさんは『「からだで感じる」阿波踊り』というメーリングリスト(ML)とブログを運営し、関東を中心とした阿波踊りイベントの開催情報をほとんど漏れ無く、しかも正確に発信し続けています。しばしば商店街の夏祭りイベントなどで、公式サイトよりも詳細な場所やプログラムが掲載されます。長年の活動によって培われた人脈で、内部情報が入手できるのでしょう。また阿波踊り愛に満ちた、ときに手厳しい阿波踊り批評も読み応えありです。

※参考:ブログ版『「からだで感じる」阿波踊り
http://deaf-dancers.seesaa.net/

 にわこやまさんは、阿波踊りチームの多くがシーズンオフである冬に練習を行わないため、練習に飢えているメンバー(冬季練習難民)が大勢いるという実情を気に留めていました。そこで三鷹市の体育館を確保し、2007年、だれでも参加できる練習会を開くことにしました。11月から3月まで月イチで開催され、広く関東エリアから連の垣根を超えた参加者が集まりました。年を経て、回数を重ねるうちに参加者たちの交流や情報交換が進み、あわともクラブは関東の阿波踊りネットワークの拠点の機能を有するようになったと言ってもいいかもしれません。

※参考:同ブログ2007年11月09日「オフ企画のご案内」
http://deaf-dancers.seesaa.net/article/65381731.html

 ところが2年前からその体育館が利用できなくなり、以来「あわとも」たちの善意による場所の提供で、あちこち移動しながらの開催となっているところです。

 今回、長栄小学校での練習を申し出てくれたのは、草加市内の阿波おどりチーム「巴連」です。

※参考:巴連オフィシャルページ
http://tomoeren.com/

 6年後に国内でオリンピックが開催されるチャンスを逃したくない気分のように、市内であわともクラブが開催されるチャンスを見逃してはいけないという気持ちになり、メンバーに呼びかけたところ、踊り手3人と鳴り物2人が共鳴してくれたのでした。

◆汗びっしょりの踊り手達

 今回のあわともクラブには、合計60名ほどの参加者がいました。太鼓や鉦、三味線、篠笛などの鳴り物担当は12~15名ほど。壁沿いにズラーっと並んで、鉦のリードに合わせて音を出します。

 40数名の踊り手たちは、体育館の中央を縦に2列で並び、踊りながら前進します。ゴール地点に鏡の板が置かれているので、自分の踊る姿をチェックすることができます。ゴールしたら歩いてスタート地点に戻り、最後尾について、また踊りだす。これを延々と繰り返します。スイミングスクールのようです。だいたい15分で1セット。そして15分ほど休憩して、また15分ほどのセット再開。これを3時間淡々とストイックに繰り返します。踊り手のみなさんも大太鼓を打っていた僕も汗びっしょりになっていました。

 指導者や仕切る人がいるわけではありません。あくまでも自主練習です。実際、指導者は必要ありません。みんなうまいのですから。うまい上に体力の充実ぶりもすごい。男踊りは低い姿勢を持続し続け、女踊りは軽快に跳ね続けて、一瞬もサボりません。うまくて強靭なことがこの練習への暗黙の参加条件なのかという疑念がよぎりました。こんな人たちの前で恥ずかしい姿は見せられない、とばかりに、ほおずき連のメンバーも真剣に踊り込んでいました。自分の連の練習とは大違いです(笑)。

阿波踊りは秘密教練?

 草加に住んでいると、隣の市で「南越谷阿波踊り」が盛大に開催されていることに無頓着で、むしろよさこいのほうが馴染みがある人が多いかもしれません。だから、間近で阿波踊りを見る機会がなくて、阿波踊りを盆踊りの一種ぐらいにイメージして、なんというか、甘く見ているのではないかと危惧しています。

 でも生で見ると迫力があるんです。鳴り物の音はでかいし、踊り手は激しく力強い。初めて見た人はたいてい驚きます。

 そして、踊り手はかなり筋力や持久力が要求されるんです。太ももがパンパンになっても低姿勢をキープして、しかも不敵な笑みを続けるんです。

 祭り本番で踊りの力量を誇示するには、それを上回る練習をこなさなければいけません。

 以前、坂道だらけのコースが設定されたハーフマラソンに出場してくじけたとき、仲間に「どうやって坂道を攻略すればいい?」と聞きました。答えは「普段から坂道で走れば、坂道用の筋肉が鍛えられる」というものでした。坂道筋を鍛えろと。

 同じように、阿波踊りの姿勢を持続する筋力(通称「阿波筋」)は、阿波踊りで鍛えるべきなのでしょう。自分を追い込んで、負荷をかけ、筋肉を強く大きくする。

 阿波踊りは徳島で民衆の間で行われていた秘密の軍事教練だったのではないか、という説をどこかで見たことがあります。低い姿勢で体重を前方に傾けて、相撲や古武道とも共通する「ナンバ歩き」で前進する。しかもフォーメーションは戦闘の陣形に通じます。その説は妄想でしょうが、華やかな踊りを披露する有名連は、きっと軍隊顔負けの訓練を積んでいるのではないでしょうか。

 初参加したほおずき連のメンバーは大きな刺激を受けたようです。自連の練習にその刺激を持ち帰って、みんなでがんがん踊り込んでみたいと思いました。

※参考:阿波踊り「ほおずき連」
http://d.hatena.ne.jp/hoozukiren/

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