草加市の獨協大学前駅(旧松原団地駅)東口の商店街で、4月29日(土)と30日(日)の2日間、獨協大学前駅、駅名変更記念街バル「町張(ちょうはり)楽座」が開催されました。
1日目には「虹空横丁」という音楽と食のイベントが駅のそばの駐車場で開催されていましたが、そっちの楽しそうなイベントには参加できませんでした。
2日目午後、ひとりで獨協大学前駅東口に降り立ちました。そこは普通の日常の街でした……。あれ? 街バルやってないの?
そもそも「街バル」って何? その日はよくわかっていなかったのですが、あとで調べました。
「まちバル」とは、まち(machi)+バル(スペイン語のbar:飲食店)=街全体を会場に見立て、飲食店街や商店街を食べ歩き・飲み歩きするイベントの名称になります。
13時20分 チケット購入 アドバンス
駅前の不動産店アドバンスの店先に大きなボードが2枚掲げられて、町張楽座の参加店紹介が載っていました。
チケット販売中という張り紙があったので、店内に入りチケットを買いました。チケットは1枚600円の5枚綴りで3,000円でした。
いただいたA4判のリーフレットを拡げたら地図と参加店の紹介がありました。これらの店でチケットを渡して、料理とドリンクをいただくわけですね。
チケット2枚必要な、ちょっと贅沢なメニューの店もありますね。
店の方に、このイベントはどこが主催か聞きました。
「主催はパインアベニュー商店会です。パインというのは松原団地の『松』なんですよ」
「その商店会は駅の東口側ですね」
「西側の店も1軒、獨協大学のそばの加賀海さんが参加していますよ。東側でもやや草加よりのイタリア料理のLEOnさんもあります」
↑ 街バル「町張楽座」のガイドリーフレットとチケット。2枚使っちゃったあと、いけねと撮影。
13時30分 1軒目 ティールームジュン
松原の飲食店にはあまり馴染みがなかったので、まずはよく知っているティールームジュンに行って落ち着こうと思いました。
「こんにちは。街バルしに来ました。1軒目です」と宣言しながら入店しました。
街バルメニューは「ハーフサンドウィッチ + 1ドリンク」。ドリンクはコーヒーを頼みました。
ジュンのマスターによると、街バルは越谷でやっているので、それを参考にして試しに始めたのだそうです。
「商工会議所にも市役所にも頼らない、パインアベニューだけのイベントなんですよ」
と話してくれました。
14時20分 2軒目 創作ダイニングMallsen24
リーフレットを読んで次に入る店を決めようと思ったら、多くの店の街バル営業時間が夕方からになっていました。
昼に入れる少ない選択肢から選んだのが、「創作ダイニングMallsen(まるせん)24」でした。メインストリートに面したビルの2階にある店です。
外から雰囲気がわからないのがちょっと不安でしたが、意を決して階段を上りました。おしゃれなバーのようでもあり、居酒屋のようでもある空間でした。
バルメニューは「10秒炙りハラミハーフサイズ+ドリンク」。ドリンクは生ビールを注文。
店長さんがお皿にハラミを載せて席に持ってきてくれました。そして目の前でバーナーで10秒間ハラミ肉に炎を浴びせるのでした。
4枚あるうちの2枚にタレをかけました。あとの2枚はすでに塩コショウ済み。タレと塩コショウの両方を味わってほしいのだそうです。
そして店長さんはこう言いました。
「2分以内がお勧めです」
OK! 2分以内でじっくり味わいました。もっと食べたくなりました。
↑ ハラミ。1枚食べてから、いけねと撮影。
店長さんが久喜出身、副店長さんが川越出身。イケメンコンビです!
普段は夕方からの営業だけど、この街バルのために昼から営業したとか。
肉と魚を中心に、野菜を千葉から米は埼玉の一等米を仕入れるなど、食材にこだわるダイニングです。
さて、いったん草加の自宅に戻り、あらためて夜の部目指して松原に繰り出しました。
18時30分 3軒目 RESTAURANT & BAR TRIP
目指すは以前からすごく気になっていたRESTAURANT & BAR TRIP。
2年前に松原で「虹音クッキングフェスティバル」という食事と音楽のイベントが開かれました。その会場のひとつがこの店であり、イベントの発起人がオーナーシェフの関野博規さんだったのです。
no entryというすごいバンドが出たというだけでも貴重なイベントでした。
しかしそのイベントのことを知ったのは、残念ながらイベントが終わった後だった……。
そんなこともあって、気になっていたけど、店の外観もかっこよすぎるし、どんな人達がいるんだろう、とちょっと気後れしてなかなか入れないでいました。
でも、街バルのチケットに勇気をもらって、思い切って入ってみました。入ってみたらそれはもう居心地がよくて、すっかり長居してしまったのでした。
こちらの街バルメニューは「スペシャルナシゴレン + 1ドリンク」。チケット2枚。
ナシゴレンはインドネシアやマレーシアのご飯です。生ビールととても合いました。
南国風のインテリアで、BGMにレゲエが流れていました。
でも座敷席もあってなんだか日本的だなと思ったら、もとは和風の居酒屋だったそうです。そのせいか南国風というより無国籍な雰囲気。
そんなところに、ティールームジュンの店長さんがやってきたものだから、TRIPの関野さんも交えて、街バル談義や草加のあんなことやこんなことの話で盛り上がりました。
19時40分 4軒目 串焼 ひろ
チケットはあと1枚。
リーフレットを見ながらいろいろ吟味したあげく、なんとなくドン・キホーテの隣の「串焼 ひろ」に決めました。
店の外ににぎやかな声が漏れていて、うわ、よそ者が入っていけるかな、とちょっと心配になりましたが、思い切って引き戸をガラガラと開けました。
人がいっぱいいて、誰が店員か誰が客かわからなかったので、とにかく「これです!」とチケットを提示しました。
店員や客たちが「さあ! どうぞどうぞ!」と歓迎してくれました。
カウンターのいちばん奥に座りました。
座敷もあって、どっちも人がいっぱいで、20人ぐらいいたと思います。
バルメニューは「牛すじピリ辛モツ煮込み、焼鳥 + 1ドリンク」。ドリンクはまたも生ビールを注文。モツ煮込みうまい!
↑ 牛すじピリ辛モツ煮込みと焼鳥だが、食べちゃってから、いけね、と撮影。
店のママさんに話しかけました。
「日曜日の夜だというのにずいぶん賑わってますね」
「はい、もう暇で暇で、アハハハ!」
「金曜日や土曜日はもっと賑わうんでしょうね」
「いえいえ、もっと暇で暇で、ギャハハハハ!」
陽気な方でした。
座敷のお客さんたちのほうから「あんた、この店だけでチケット使い切ったの!?(笑)」「俺はここが好きなんだよ!」なんていう会話も聞こえてきました。
カウンターの隣にいらっしゃった男性とお話をさせていただきました。
「店の名前の『ひろ』というのはだれかの名前ですか?」と尋ねました。
「あの人です。息子さんですよ」とカウンター内で料理を作っている方を指差しました。
「で、奥にいるのがお父さんで、あっちにいるのがお母さん」
「家族で営業しているんですね」
「ええと、お父さんの名前はなんだっけ?」と男性客は大声でカウンター内に声をかけました。
「森尾!」とお父さんは返事をしました。
「森尾は知ってるよ! 名前は?」
お父さんは笑っていて、返事をしませんでした。
「森尾っていう女性タレント知ってる?」と男性客が僕に聞きました。
「森尾と言えば一人しか思い浮かびません」
「その人のお父さんですよ」
「ああそうなんだ!」
つまりママさんは彼女のお母さんというわけです。そういえばママさん、美人だ!
20時に腰を上げ、串焼 ひろに別れを告げ、本日の街バルは終了となりました。
純粋な街バルの醍醐味
さて、4軒回って、生ビール3杯とコーヒー1杯と料理を4品いただきました。これで合計3,000円なんですよ!
普通なら1軒のバーでビールをおかわりして料理を追加注文するところを、店を変えておかわりしたわけですよ。別の料理を注文するどころか、がらっと店ごと変えてね。ものすごく得な「飲み」ですよね!
そして店を開拓する機会が得られたことが大きい収穫です。ジュンさんのところ以外は初めて行き当たりばったりで入ったのだけれど、どの店も雰囲気がよかったし料理もおいしかったし店員さんも人当たりがよくて楽しい人ばかりでした。必ずまた訪ねます!
「虹空横丁」という音楽と食のイベントに行かなかったからこそ、純粋な街バルの醍醐味が味わえたのだと思います。