11月25日(土)、草加市新田のふれあいロード商店街の一角で、「つくりにおいでよ3.5」という名前のワークショップが開催されました。
「つくりにおいでよ」とは、新田駅東口、ふれあいロード商店街にアトリエを構える二人のクリエイター、RICKENさん(アーティスト・デザイナー)と、金澤萌さん(左官屋)が中心となって開かれているワークショップです。
つくりにおいでよのこれまでのあらまし
では「つくりにおいでよ」のこれまでのあらましを見ていきましょう。
・2016年3月、RIKKENさんと金澤さんが出会う。
同じ物件の1階と2階に長年入居していたのに、それまで出会わなかった!
・2016年5月、「ワークショップ」
RIKKENさんの個展に金澤さんが絡む形で。
・2016年7月、「つくりにおいでよ」
複数のクリエイターによりワークショップがスタート。
・2016年11月23日、「つくりにおいでよ!2~フライングクリスマスの巻~」
広い範囲から多くのクリエイターが集まり、17組(ワークショップと店)が出展。駅前の大きな喫茶店ツネも会場になる。
・2017年6月4日、「つくりにおいでよ!!3=父の日をムシしないでね=」
出展者(ワークショップと店)の数は19に。さらに空き地や駐車場などの屋外会場も使われて、街ぐるみのフェスのような盛り上がりに。
草加市 新田 ワークショップ イベント 大人も 子供も あそびにおいでよ つくりにおいでよ
・2017年8月23~27日、「つくりにおいでよ ざ キャラバン ☆ファーストトリップ☆」
成長した「つくりにおいでよ」は、とうとう新田から飛び出して、長崎と広島でのイベントに参加。
・2017年11月25日、「つくりにおいでよ3.5」
新田への帰還! ただし規模を抑えて「じっくりつくる」をコンセプトに。
草加市新田でワークショップイベントを開催。つくりにおいでよ3.5はじっくりつくる特別な一日。
どれも個性的なワークショップ
さて「つくりにおいでよ3.5」はどんなワークショップだったでしょうか。
今回は4つのワークショップが開かれました。
場所はいつものRIKKEN FACTORY(福地立憲さんの工房)とLEAD(金澤萌さんのアトリエ)←同じ建物の1階と2階。
今回新たに近所の空き店舗の1階と2階も使われました。入り口に「HACO」という表札が掛けられていました。
10時から15時までと、時間はたっぷり用意されました。
また、付近の駐車場に、おなじみのカフェ・レプラホーンのキッチンカーが出ていて、豊富な種類のコーヒーを挽いて淹れて販売していました。
お昼休憩には「じゅんちゃんちの曲げわっぱ弁当」が登場! おいしくいただいていました。
以下、4つのワークショップを紹介します。
【RIKKEN FACTORY】
RIKKEN(福地立憲)さんによる「オリジナルの版をつくる」のワークショップ。
シルクスクリーンの版を作ります。この版をTシャツ、袋、バッグなどに印刷できます。
金額:12,000円(ランチ代込)
参加者は1人。この日コーヒーを出していたカフェ・レプラホーンのロゴの版が作られました。
RIKKENさんはその日、「自分は作るのはそんなに好きじゃない」と語っていました。「教えるから自分で作ってください」と。
だからワークショップをやっているんですね。
【GREEN BUCKER】
木原和人さんのGREEN BUCKERによる「マクラメ編みのプラントハンガー&ラージサイズのテラリウム」のワークショップ。
金額:12,000円(ランチ代込)
3人の女性が受講しました。
テラリウムは、ガラスの透明な容器の中に植物を植えたり小物を置いたりするものですが、今回は大きなガラス容器を使っていました。その中に作り出された自然空間には作り手の個性が強く現れます。
このことを木村さんは「大きなテラリウムは世界観になる」と表現していました。
つづいて「マクラメ編みのプラントハンガー」の作業でした。「マクラメ」は紐を手で編んで模様を作り出す手法です。
窓辺のカーテンレールから長い麻紐を垂らして、3人の受講生は黙々と穏やかに編み続けていました。
その気配はまるで瞑想のようでした。
【ソウイ】
羊毛と古道具の店「ソウイ」のえはらしほさんによる「wool100%マフラーを織ってみよう!」。
金額:10,000円(ランチ代込)。※機材は含みません。
参加者は4人。
小型の織り機でマフラーを編みます。ありとあらゆる色や手触りの手紡ぎの糸や、原毛がたくさん用意されていました。
みんな好きな色や模様の糸・原毛を選んで、夢中で編んでいました。
自由に無計画に無意識に編んでいくと、やがて4人それぞれが着てきた服に似た色合いのマフラーが作られていくのでした。
不思議なようで納得でした。
【marumo工房(LEAD)】
金澤萌さんによる「しっくいかまどをつくろう!」です。
参加者は3人でした。
金額:9,000円(1合)/12,000円(2合)(釜代・ランチ代込)
漆喰でかまどを作ります。
白壁のお城か蔵の模型のようなきれいなかまどができました。
固形燃料を使って簡単にご飯が炊けていました。一口頂きましたが、とてもおいしかったです。一人分炊くならとても便利かもしれません。
それにしても漆喰でかまどが作れるんですね。漆喰かまどは左官屋さんが今広める運動をしているのだそうです。
ちゃんと作るワークショップを
さて、ワークショップ参加料はランチ代も含めて9,000円から12,000円でした。今まで見てきたワークショップイベントと比べると、だいぶ高額ですね。そして5時間もの長時間をかけて取り組むプログラムです。
それだけに内容は本格的でした。作り上げた喜びもひとしおだったことでしょう。
事前に金澤さんとRIKKENさんにお話を聞く機会がありました。
金澤萌さんは「つくりにおいでよ3.5」について、今までの拡大し続ける流れでそのまま開催することについて危惧していました。
「今のままバンとやっちゃうと、ただのイベント屋さんになりそうで……。そうじゃなくて、ちゃんと作りますっていうイベントをやりたくて」
RIKKENさんも言いました。
「もともとのコンセプトが、プロによるワークショップというものだったんです」
こうして、少数精鋭の長時間ワークショップが開催されたのでした。
再開発のヴィジョンにつながるかもしれない
ふれあいロード商店街がある新田駅東口地区は今再開発がじわじわと進んでいて、建物が壊されて更地になっているところもあります。そんな状態の商店街なので、空き店舗が安い家賃で借りられます。そこに若いクリエイターがアトリエや作業場として入居するようになりました。
すると、クリエイター達が集結してクリエイティブなイベントが開かれることになりました。ふだんは寂しげな街に賑わいが生まれました。今後、新田はクリエイターの街、というイメージが定着すれば、再開発のヴィジョンにつながる、かもしれません。
さて今回の少数精鋭版「つくりにおいでよ」に続く次の「つくりにおいでよ」は、年明け以降に開催されるでしょう。
もしかしたら驚く新展開が待っているかもしれませんね。当分目を離せません。